10/7 Comoにて

 朝、10時台の電車をめざして宿を出る。電車そのものに問題はなかったが、電源確保のために一等車を選んだら、なんか座席保証なしとかいうイタリア語のメッセージが出る。でもオレは一等車がいいんだよ! と券を買ってから、満員だったらどうしようと思ったが、まあ人が来たら変わればいいじゃんと思いつつ座る。
 最初の席は、向いに人が来たのでほどなく撤退。で、進行方向最後尾に2人掛けだが、対面になってない余ってるような席があり、そこに移ってみた。正解。ここには誰もやって来ず、無事、ミラノに到着する。
 ここで、小腹が空いていたので、ちょいと荷物を預けてドゥオーモ近くまで地下鉄移動。例のサルメメンテリーア・ヴェルディアーナに行くためである(2007年2月末の日記参照)。なんか周囲のお店はずいぶん入れ替ってて、向いにあったはずの古本屋はブルックス・ブラザースとなり、空き店舗も増えていた。もしかしたら空き店舗が古本屋だったかもしれない。ていうか、美術書屋だったかも。まあいいや。
 で、件の店はその場所にあったが、名前がサルメメンテリーア・ディ・パルマに変わっていた(当然、それまでのワインなんかのラベルも一新。値段も一新w)。出てくる物に違いはなかったので、たぶん変わったのは名前だけだと思うが……ああ、全体に値段が上がってたか。でもお客はいっぱいだった。

 それからミラノ中央駅にもどり、チケットを買って荷物を受け取り、電車に乗る。今日の目的地はコモ。
 したらどうも疲れがピークだったようで、眠ってしまい、1駅乗り過ごす。降りて戻りの電車の切符を買おうとするが、どうもコモの圏内って鉄道の会社が違うのか、券売機が違う。要領がまったくわからず、窓口を探す。つぎの電車に結構ギリでなんとか見つけて切符を買おうとしたら、同じ電車に乗ろうとしていた親父に「すぐ済むから」と横入りされ、そりゃーおめーはすぐ済むだろうがな! と、ちょっといらつきながら切符を買おうとしたら目の前で用紙切れ。
 どこでどういうきっかけで心が折れるかわからないもので、正直、思いっきりぶち切れて「そりゃあねーだろう!」と日本語で大声で言ったらなぜかすっきりした。でまあ、結局すっきりしたのでそれ以上文句を言うこともなく、切符も無事買えて、ちょっと走って電車にも間に合う。危なかったが。
 コモのホテルは簡素で清潔、設備は必要十分という感じで、じつにありがたかった。ヴェネツィアの宿は悪くなかったが、やはり共同トイレと共同シャワーはかなり不自由な感じ。あっちが1泊で、こっちが2泊ならよかったのに。いやまあそんなムチャ言ってもしょうがないのではあるが。
 なぜか汗だくだったのですぐに風呂に入り、そのままカメラ片手に、あとポケット辞書と電子辞書、メモ、ペンを片手に出る。目的地は中心部にあるmomiというお店。スカレッタのシェフの紹介で。
 風呂に入ってうだうだしてたせいで、すでに時間はかなり遅く、店はばんばん閉まりはじめている。しかも、途中湖畔を通って、その絶景っぷりに写真撮りまくった。暗いのに。
 でまあ、その後中心街を流すが、案の定全部目の前で閉まっていく。Coinってファッションビルなんて、歩いてたらいきなり電気が消えて「閉店です」だってさ。で、じゃあmomiに行こうかと思ったら、そのビルの上がmomiだったという。Coinが閉まっても、エレベータ直通で行けるらしい。
 ちょっと時間が早かったので、そこは下に降りて、近くのバールで食前酒代わりにかなりアバウトなカクテルをもらい、つまみにはほとんど手をつけず(でもあのポテトチップスうまかったな)、8時過ぎになるのを見計らってmomiへ。
 すると入り口には先客がいて、ものすごい人数。おお、なんか流行ってるっぽい。ちょっと待ってエレベータで5Fへ。広いフロアに、なるほどたしかにリストランテが。デパートの食堂みたいな雰囲気かと思ったが、そこはさすがイタリア、むしろテラスからコモのドゥオーモが見えるので、大変によろしい感じ。
 でもって、出てくる食事もすばらしく、アミューズ、前菜がトリッパ、玉葱、タラ、タコとイカの4皿(量は1皿で小食な人なら十分)、そしてトマトとイソギンチャク(!)のスパゲッティ、最後が牛肉の煮込みポレンタ添え。それから口直しの西洋カボチャとレモンのペーストにヤギのチーズを載せたもの、コントルノのミニサラダ、デザートのチョコレートケーキと続き、いまから考えるとよく腹がもったなあという感じ。これにくわえてグリーンピースのリキュールにグラッパまでいただいてしまう。
 ちなみに写真は全部撮れました。
 満足なんてレベルではなく店を送り出してもらい、徒歩で帰ったらだいたい深夜0時だったという。何時間飯を食ってたんだ。いや、最後ずいぶん間があったんだけど。
 もともと日本で働いていたこともあるらしく、大変な親日家で、とても親切にしてくださいました。ありがとう。いい思い出になりました。
 月曜日、帰る時にもう一度寄るかもと言ったら、「月曜日はボクは休みなんだ。ボクが出るのは水曜~土曜日なんだよ」とおっしゃってたのは残念。まあ、これでおしまいってのがちょうどいいか。もちろん次もこんなのを期待して言ったわけではなく、スカレッタの筒井シェフが「あそこはミラノ風カツレツがうまい」という話をされていたので、それを試したかっただけなんだけど。まあ、ムチャしないでミラノ市内のどっかに行くことで。ノヴァーラでもいいかな。まあ、それはまだ先の話。

 明日はアオスタ。また早朝から電車移動。早めに着いて、いろいろやっておきたいこともあるので。

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