6月27日

 カミさんの声で意識が戻る。「いま5時半だけど、いいの?」
 そりゃーパニックですよ。そこで慌てる自分に、カミさんが「落ち着いて」の一言。落ち着きました。カミさんにはいろいろ迷惑かけるのに。本当に申し訳ない。
 つとめて冷静になり、枕元にいつも置いてるiPhoneで乗り換え案内を確認。遅れはしたが、もともと余裕を持って設定してあったので、まだなんとかなる。スカイライナーも予約分はお金を捨てたことになったが、次の便で向かえる算段なので無問題。
 というわけで、服を着替え、詰めた荷物を簡単に確認して、出る。

 カミさんの運転で駅に向かう途中、ほぼ準備を終えていた自分を褒め称える。そのまま慌てて出ても、搭乗に間に合いさえすればなんとかなる態勢だったから。
 それでも、途中念のためクルマを止めてもらって荷物を再チェックしたところ、MB純正のアダプタと充電ケーブル忘れていたことに気づいたし、他にも細かいものがなかったりしたが、その辺は現地で買ったりなんだりで対処する方向で。純正のアダプタはないが、汎用のAC-USBアダプタ&3rdケーブルでMBの充電はなんとかなるし。むしろ荷物が減ってよろしいと思い込むことに。
 カミさんが買って置いてくれたパン出してくれたが、余裕がなかったのでそれはごめんした。本当に申し訳ない。りんごパンなので、食べるのは自分くらいなのだが、それは食べてくれたのだろうなあ。

 いやしかし、カミさんが起きてくれなかったらどうなってただろう。ぞっとする。
 終わったことだから、結果オーライでいいのかもしれないが。これを糧に、次に似たケースがあったら対策を立てる必要はありそうだ。
 それはそれとして。

日暮里駅のスカイライナーホームより

いやー、ここにいると気分が盛り上がりますな。

 日暮里へ向かう電車の中で、風呂に入ってないので、簡易入浴所はないかと探す。普通あるものなので。したらあったさ。料金はわからないが、設備的にはバッチリっぽい。そして、ちょっと前に知った自動入出国の登録カウンターの位置も確認。それで気を落ち着ける。自動でやれれば列はほぼパスできるようだし、しかも電子チケットなので、航空会社でのチェックインも不要らしい。
 あとで知ったが、どうやら預け入れの荷物がなければ、早い時間に無理に行かなくてもなんとかなるようだ。今回は手荷物だけで固めたので(ローマでの乗り継ぎとかを考慮して。荷物出てこなかったら大変だし)、本当に搭乗時間に間に合いさえすればOKってことになる。
 そして、途中で再予約したスカイライナーでぼんやりと過ごし、終点で降りる。ルフトハンザなので、第1ターミナルなのね。
 探すと、風呂の場所はすぐにわかり、しかもその向かいが登録カウンターという、オレついてる状態。風呂も500円だし。いや千円くらいしたっけ。まあ大したことではない。
 風呂というかシャワーでさっぱりとして、髭も剃り、ちょっと奥に引っ込んでた受付の人を待ってから向かいのカウンターへ移動。無事、登録も完了。
成田空港の出発階に上がってく途中

この看板見るとなぜかテンション上がるわけですよ。なんかこう、いかにも海外と繋がってるぜーって感じで。いやただのCD機ですがねそりゃ。

 この時点でまだ時間がない感覚だったので、ちょっと急いで出発フロアへ。胃腸薬とか歯磨き粉とか買って、そのままセキュリティを通過、そして自動出国カウンターへと向かう。
 いやー、自動出国最高。まったく待ちなし。EU圏内で、加盟国のみなさんがするする通り抜けていくのを目にしてほぞを噛んでいたが、日本ではこっちが優越感に浸る番さ。最初だから慣れていなかったのもあって通過に30秒ほどかかったが、あれ、慣れれば10秒とかだ。
 結局、搭乗開始の20分くらい前には搭乗口近くにいた。なんと楽勝な。そういや、前の晩日本代表と試合したスコットランドだっけ? イングランドだったかな。そのラグビーチームの皆さんがいたりな。同じ便らしい。
 そのちょっと前、手持ちを換金しようとした時、着てきた服がちょっと臭う(干す前に時間置いて、雑菌が繁殖しちゃったアレ)ので、トイレに駆け込んで上着を着替えたり。つーか暑いので、Tシャツに。しにものぐるいの伊藤ネコがビールかっくらってる自堕落なヤツ。

これから乗るヤツ

あーこれに乗るのかーって感じしかなかった。ここまできちゃうと妙に冷静。

 飛行機は快適でした。そりゃまあエコノミーど真ん中の席ではあったけど、ネットは使えるし、隣に人はいないしで。
 ただ、セキュリティの問題があるのと、このブログの管理用ページが日本の外からのアクセスを弾く設定なので、急遽VPN申し込んだり。自分ちにもVPNはあるんだけど、IPを国内のに変換はしてくれなくて。あとで設定しようと思ったけど、どうすりゃいいのかなこれ。いまだにわかってない。
 でもって、機内インターネット、メールとFaceBookは無料なのあとで気付いたりな。まあそんな高くはなかったし、いいんだけど、FaceBookとメールさえ使えてればよかったかなーとか。Twitterは諸般の事情(ヒント:仕事)であんまり使わなかったし。本当はガンガンTweetしたかったんだが、まあ結果的にやんなくてよかったかなーとも。
 ネットがいい暇つぶしになるかなーと思っていたが、そうでもなかった。どっちかというと席の質大事。ルフトの席はエコノミーの安い方でもそれなりではあったものの(隣が空席だったのも大きい)、もうちょっと狭くて隣席に人がいたらどうだったか。
 ビジネスが選択肢にあるなら迷わずビジネスを選ぼう。エコノミーでもいい席の方ならそっちのがいい。もっとも、エコノミーのいい方もいい値段してるし、どうせならビジネスの方がお得感が強いような気もするが、どっちにしろそんだけの額を払うなら滞在費に回したほうがいいかなって思うので、そこはそれ。
 理想はビジネス(いやなんならファーストでも)でネット使えることなんだがなー。ああ、富豪になりてえ。

 成田を飛び立って13時間弱後。日本時間では夜10時になんなんとするころ。飛行機は無事に中継地のフランクフルトに到着。乗り継ぎに1時間ちょいしかないので、急いで出ると、これがあーた、乗り継ぎのゲートと思われる場所に長蛇の列。ちょっと絶望的な気分になるものの、案内板見ると、乗り継ぎ便の出るゲートは別らしいので、係の人に道を尋ねる。すると、なんか人のいない通路を示されたのでそっちへ。行ったら空港内を移動するモノレールの乗り場で、とりあえず目の前のやつに飛び乗ったりする。
 これが見事に外れ。モノレールはゲートの反対側へと疾走していく。気付いて次の駅(整備用のエリアっぽかった)で降りたものの、これで5分ロス。待ちと復路を入れると10分超か。すでに乗り継ぎまでの時間が40分くらいまでになってて、とにかくゲートへと繋がる駅で飛び降り、急ぎ足でそっちへ向かうと、そこにはさっきのに勝るとも劣らない長蛇の列が! 幸運だったのは、セキュリティチェックの窓口がいくつもあって列をさばいていることだが、それにしてもああ。
 ここで残り時間は30分を切っている。なんとか窓口にたどり着き、じりじりしながらチェック待ち。身体検査は面倒だったので透過方式のアレにして(金属チェック関係ないから、細かい金属製品外さずに済む。ベルトとか)、やれやれと思ったら荷物開けられてすんげえ細かいチェック開始ですよ。そりゃあまあ、電子機器関係山盛りなので怪しいよねえ。とにかく解放してほしい一心で、一つ一つ質問に答えていきますよ。ついでにケースの中に試験紙の類突っ込まれて、ドラッグ関係のチェックやられたりね。まあ結局無罪放免だったんだけど、なんか怪しまれたんだよなあ。難消化性デキストリンとかは「洗剤だろ?」とか勝手に勘違いしてくれて結果オーライだったけど、これ疑うか? ってものを疑われた記憶があるがなんだか忘れた。思い出したら書きますが。
 ただ、人は悪くなかった。着てるTシャツ見て、「これはビールか?」とかにこやかに訊かれたりな。そしてにこやかにヤーって答えたりな。とっさによく出たよなー。ただのはい、いいえの返事でも、まだ日本語でしか反応できない状態だったのに。ましてドイツ語なんて頭の中になかったし。反応って、きちんと言葉使えるわけじゃないから、あくまで反応ってだけだけどな。

 で、なんとか解放されたのがあと15分ってところか。小走りに出口を求めていくと、今度は狭い場所にうねうねと続くパスポートコントロールの列。ここで天を仰ぐ。もうおしまいかなーって。成田だと、優先して通してくれたりすることもある(と思った)が、車椅子の人とかはともかく、そんな配慮があるわけもない。中国の人が列を抜けようとして、周りの人たちに「列に並べ」と怒られてたなあ。彼らも急いでるみたいで、チケット出して「飛行機出ちゃうんだよ」とか言ってたけど、周囲の「そんなの知らん」という空気に渋々並び直していたが。
 それ見て、まあもう腹をくくるしかないなと覚悟した次第。
 案外列の流れ早かったけどね。脱出できたのは、ボーディング開始の5分後くらいだったか。
 もう走る走る。結構立派なショッピングスペースとかあったけど、気にせず走る。軽いステップで人をかわしつつ、手荷物としては最大級のカバンを引っ張りつつとにかく走る。
 結果を言えば、間に合いました。楽勝に近い感じで。搭乗ゲートは電子チケット(iPhoneのウォレットを初めて使ったんだけど、便利といえば便利。これ無くしたらどうすんだってことは考えない)を使って通過して、その先にあったシャトルバスで10分待機とかな。
 いやまあ、危なかったといえばそうか。

 それからはスケジュール通りで、無事フィウミチーノに到着。さすがルフト。スケジュール通りの運行力ハンパない。
 そこから先は通関とかもなく、空港内だしよほど油断しなければ何事もなかろうと踏んでぼんやり。フリーのwifiも捕まえられて、念のためにVPN噛ませて情報収集。TIMのカウンターを発見して、これから1週間使うことになるSIMを2枚購入。
 電話は問題なかったものの、iPadの方は動かず。係の人が、1時間もすれば動くとのたまっていたが、結局深夜になってもダメで、とりあえず今日はもう考えないことにする。
 とりあえず通信手段が手に入ったので、安心して軽食を。カウンターの軽食(もちろんイタリア料理ではあったのだけど)だったが、それでもなんだかほっとする。ああ、イタリアにいるんだなあと。この時点で夕方の6時くらいか。いや7時くらいだったかなあ。日本時間朝の9時から16時間強かかってここですよ。
 ここから今度はカターニアに飛ぶので、夜8時まで待機。つっても飯終わりで1時間くらいあったので、ちょっぴり途方に暮れる。結局喫茶スペースでおすすめカッフェ(意訳)を頼んで日記書いてたりな。おすすめカッフェって、結局カプチーノにでっかいビスケット付いてたりするやつだったりな。いや美味いんだけどね。見た瞬間うげえとなったんだけど、食べてみるもんです。

 しかしそれからが長かった。今度はアリタリアだったんだけど、定時通りに飛ぶわけもなく。それまでルフトがきちんと時間守って運航してたので(微妙なずれはあったけど、ほぼ無問題)、このギャップは余計に「オレはいまイタリアにいる!」という思いを強くしてくれましたな。いや、それじゃあ済まなかったんだけども。
 結局、飛行機は1時間遅れで飛んで、着いたの10時半くらいだったか。そしてそこから豪快な判断ミスの連続。

深夜の店で食べた飯

ノルマって名前らしいですよ。ソースはトマト味だったけど、裏ごしした感じがありましたな。


甘葡萄酒

図らずも食前酒になった甘ワイン。なんて名前だか忘れたけどうまかったっす。

 まず、カターニア空港から市内への移動手段にタクシー使わなかったこと。バスに乗り込んだら、そこから延々待つこと20分。その間に宿に着いてたのに!
 さらに、遠回りしてようやく宿にたどり着き、開いてる飯屋聞いたらなんかもうほとんど残ってなくて、身支度して出たけどどこも閉まってて、開いてるところは見つけたけどうまいかどうか判断に苦しんで結局パス(だっていきなり通りすがりで時間を聞いてくる怪しい人とかいる場所なんだぜ。料理もフランス料理系だったし)。その後も探し回るも、街中には怪しげな若い連中がうろつき回ってるくらいで、あとは身綺麗とは言い難い人たちがうろうろしてたりさ。
 そりゃあ走って宿に逃げ帰るよね。
 結局、宿の通り沿いに開いてる店が何軒かあったのは知ってたので、一番近いところに。「ピッツァだけだけどいい?」と聞かれたので、何か他にないかなあと聞いてみたら、パスタ出してくれましたよ。普通に美味しかった。あと、そこワインバーらしく、グラスの品揃えが良かったので、ローカルなのをいくつか。甘ワインを初っ端に頼んじゃってアレだったけど。甘ワインもそれなりに良かったです。
 そして地元でエトナ・ロッソを飲めたことに感激。ってほどでもなかったけど、美味しかったー。

 戻って、風呂入って、明日も早いことを思い出して寝たのが2時くらい。起きられなかったらまあしょうがないと覚悟して寝たら、ちゃんと早朝には目が覚めて、しかも目覚ましアプリの快眠度はそれなりに高かったっていう。

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