月別アーカイブ: 11月 2011

11/30 なんかすいません

 読み直してみたらひでえ文章だな。
 まあいろいろ人数増えてテンパってたりして、しっかりアシストがあったのに、それでも後半余裕なくなってぐちゃぐちゃだったもんで。あったことを書くのでせいいっぱいでした。もうなー。

 まあそんなこんなでいろいろありまして、そんな感じです。すいません。意味がわかりませんかそうですか。
 帰り道、ターミナル駅でラーメン食べて、1時間くらいぶっちぎって帰ったのはアレだったんだけど、なんか30日まで取り置きを頼んでいたのに、某宅配屋がヤッてくれておりまして、揚げ句必要なものが返送されていたという。他は全部大丈夫だったんだぜ。なんだかなあ。遠い目になるよ。
 まあいいんです。致命的ではなかったし。

 夜になってカミさんのiPhoneをもとの機体に復元しつつ、お土産を整理して、風呂入って沈没。
 そういえば容量不足でHDDレコーダーがあふれてて、録画に大失敗してるのが後半あったりね。アレとかどうしようかなあ。
 まあたいていはCSとかで再放送があったりするので、ほぼ大丈夫ではあるんだけど。

 それにしても仕事明け即渡航だったので、部屋が凄いです。自分の部屋は案外変化がないのだが(そりゃまあなあ(苦笑))、他の部屋が申し訳ない状態に。案外変化がないつってもかなりヤバげなのに。
 洗濯物を仕掛けて寝る。明日干す方向で。雨だから、風呂場乾燥機頼り。

11/29 帰国への長い道程。

 いやほら、今回スカンジナビアなんだけど、去年の発表じゃ機内ネット始まってるはずでね。で、やってなくてさ。よくある話で。そんなわけで、コペンハーゲン経由で帰んないとダメでね。
 てなわけで朝早く起き出し、8時に迎えにくるというタクシー(そう、なんと今日はコモからワゴンタクシーでマルペンサまで行くのだ)までの間にリパックしないともう大変。いや、昨日結構買い物したんで。服とかきちんと計画的に詰めないとうまく入らないので。
 この辺はカミさん大活躍で、テキパキと荷物が詰め直されていく。ステキ。というか、自分、この時点で電池切れ。いくらなんでも手伝わなきゃと思うが、身体が動かず。
 1時間ほどで荷物はスーツケース2個におさまり、さらに小さなバッグに振り分けられて帰国用の荷造り完了。ありがとう。
 そんなこんなで全員揃ってタクシーでマルペンサへ。出発直後、フロント前にキャリアを忘れるとか愉快なことをやらかすものの、すぐに取りに戻ることができて事なきを得る。ありがとう、ホテルのフロントの中の人。
 1時間弱ほどでマルペンサにたどりつき、すぐにチェックイン。重さ大丈夫かなあと思ったが、なんでもなかったぜ! というわけでセキュリティを通る。
 その時、ベルトも抜かなければならなかったのだが、そこでいままで愛用してきたBUILT NYの黒い携帯ケースを落として通過、そのまま紛失。ぬう。
 まあその辺は諦めが肝心で、ちょいと買い物をしてから飛行機の搭乗口へ。
 そこでガイド役のアキさんとお別れ。アキさんは近くの搭乗口から30分くらい後のナポリ行き便で帰るのだった。
 そこから2時間弱飛んでコペンハーゲンへ。降りて、乗り換えのゲートを探してたら出発便のディスプレイに1時間遅れの表示が。またかよ! これは絶対SASはプーチンを怒らせたに違いないと確信して、空港で昼飯。またビュッフェ。でもうまい。ここはそういう国なんだろうか。たぶん違うと思うが。
 昼食後、適当に買い物してパスポート検査を通り、子供って本当に構ってもらえるんだなあと思いながら出発ゲートへ行くと、ゲート内が待合室のようになっていて、人でいっぱいになっている。
 しばらくそうして待っていると、いきなりパーサーの人が「搭乗開始ですよ」と言いに来る。なんでウチに? と、夫婦で頭に?マークを浮かべていると、どうやら子供連れなので優先して搭乗していいのだというとがわかる。おお、なんてステキな! まあ、そんなこんなで、コペンハーゲンを発って、いまモスクワ付近を飛行中。夕飯の豚肉結構うまかったです。
 あ、いま思い出したけど、iPhone用の線量計数器持って来るの忘れたッ! 日本との測り比べが楽しかったかなあとか。あと機内の線量とかね。くそう。次回は、国内便でもいいから線量計持って行こう。
 お、ウラル山脈飛び越え中だ。

 成田まであと2時間弱。すでにハバロフスクも過ぎ、日本海に入ろうとしているところ。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 ぬ、照明もついたぜ。外はすっかり朝。フロントカメラには雲海が広がっておりますよ。いままで、外部カメラがなにか映しているのって、離陸と着陸の時くらいだったからなー。
 去年は窓のシールド開けたら翼面に反射した日光で卵が焼けそうな感じだったけども、今年は窓際じゃないからわかんないけどきっと暑かろう。

 カミさんとナノは爆睡中。時差のせいと思われる。オレ、あんまり寝られない方だから、このまま無理して起きてて適当に寝ればたぶん普通に寝起きできるようになるでしょうっていうか、もともと不規則だからあまりダメージなし。損なのか得なのかはわからんけど、寿命的には損か。
 というわけでそろそろアプローチ。帰りは空いててよかったなあ。
 あー、なんかiPhone、日本用にSIM入れ直したらアクティベートしろとかだだをこね始めた。むー。
 と、思ったら、電波つかんだとたん普通になりました。

 いま、スカイライナーの中。宅配とかいろいろな都合上、午後2時までに帰らないとヤバイんだが……こりゃ無理だなあ。
 というわけでひとまずどっとはらい。

11/28 ドゥオーモへの長い道(後編)

 で、翌日。
 まずレンタカー返却。日数的に、今日の朝返しても昨日の夜でも同じ額で(駐車場代取られちゃったけどね)大丈夫なので、夜何時に着くかわからないってことと、昨日は疲れてたんで。わりとレンタカー屋は近所で助かった。
 で、その後朝から市内観光。手始めに大聖堂。ミラノの仇をコモで取る感じ。
 大聖堂はなぜか入っちゃいけないもんだという思い込みがあって、ここんとこ入ったことはなかったのだが、いやーそういえば大聖堂って凄かったよなあと思い出す。ちなみに今まで入ったことがあるのはオルヴィエートだけだけども。あそこはもう少し内部は質素だったかもしれない。
 まあとにかくいいもん見た感じ。ミラノのはどんなだったんだろうか。
 映像とかではよく見かけるけど、あれは実際に中に入って見ないとわかんないと思うです。以上、表題の話終わり(えー

 それから湖畔を巡る船に。地元の人の足でもあるのだけど、遊覧船としても使われているモノ。さすが吹きっさらしの湖の上なので、おっそろしく寒い。30分くらいで乗ったところに戻って、そこから今度は山を登るケーブルカーに。オルヴィエートでも乗ったのだが、問題にならない急傾斜&長距離で、景色は壮観。オフシーズンなので空いていて、ナノは先頭に乗ってご満悦という。
 上でも散歩&景色を楽しんでから、ケーブルカーの駅にほど近いホテル兼レストランに入る。じつは、展望台に行く途中で子連れの女性に道を聞いたのだが、散歩かお出かけに思えたその人がなんとその店のカメリエーラさんで、カミさんたちは再会を喜びつつ、この店は当たりの予感がすると言い合っている。大正解。前菜もうまかったが、なんつってもサラダがよかった。そこはサラダを色別に用意してて、オレンジ色のを勧めてきたのだが、これがいいのですよ。オレンジまんま薄切りにして敷いてあって、その上にパプリカのオレンジ色のを薄く剥き切りにしたのと、人参の千切りをマリネにして乗っけただけなんだけど、うまいのなんの。勧められた時はえーとか思ったのだけど、やはり先入観持っちゃいけないという好例ですな。
 パスタもやっぱりうまくて、夜予約している店があったのでメインはやめにしたけど、ここは真面目に再訪しようと思ったのだった。ていうか、コモ、奥深い。街はそんなに大きくないんだけども。
 食後は下に降りて、ちょっと食休みの後買い物タイム。カミさん生き生きとしている。買い物袋たくさん抱えて後ろを歩くという絵に描いたようなショッピングスタイルで、うきうきと暗くなるまで。ナノをおもちゃ屋に連れて行こうと思っていたのだが、アキさんが面倒見てくれるというので、夫婦だけで歩き、こっそりカミさんがリサーチしてくれていたものを買う。鎧着たゴリラのフィギュア。いやかなりかっこいい。真面目にこのおもちゃ屋のフィギュアの品揃えはすごいなー。
 それから戻って、最後の夕飯の店へ。Crotto del Salgente。去年振られたお店。
 前菜はハム尽くしで、湖の魚の盛り合わせもちょっと。プリモのカルチョーフィそば粉のタリオリーニ、ラルドのニョッキ、魚のラビオリも美味しかった。ただ、だんだん苦しくなってきて、ケバブ風の巻き肉はよかったのだけど、牛肉の赤ワイン煮込みあたりは重すぎてダウン。でもなぜかチーズのババロア食後にもらったりね。
 最後にはアマーロをもらってタクシーで帰還。
 さあ、明日はいよいよ帰国だ。荷物を……リパックし……なく……て……は……。

11/27 ドゥオーモへの長い道(前編)

 朝からクルマかっ飛ばしてアルバへ。目的のものを手に入れ、1時間ほど過ごした後、ミラノへ向かって旅立つ。
 なんとかカーナビの使い方にも慣れ、ミラノへの道も順調。ノンストップで1時には到着し、駅前の駐車場のごちゃごちゃぶりにパニックになりながら、なんとかクルマを停めることに成功する。
 それからガイド役のアキさんと再合流し、ドゥオーモ方面に観光に出る。
 合流したのはミラノ中央駅で、そこから地下鉄で4駅ほど行ったところにまさにドゥオーモという名前の駅があったりする。階段を登るといきなりドゥオーモが壮麗な姿で出迎えてくれる憎い駅だ。
 でまあ、ドゥオーモに入ろうとしたら、結構な列で断念したりしてな。
 そこでじゃあどうするかってことになって、前も行ったことのある生ハム屋を探して貴重な時間を潰しまくったのは私だ。しかも、朝もアルバに寄ったりしたもんだから、到着そのものが遅くなってもう踏んだり蹴ったりだったり。でもって生ハム屋も長蛇の列で結局パニーノ買ってお茶を濁した憎いやつもこのオレだ。まいったか。
 その後、アキさんおすすめのデパートに入り、カミさんは雑貨の山に大喜びでいろいろ買い込んでいた。
 それから中央駅に戻って、駐車時間切れぎりぎりでクルマに帰り着き、今夜の宿のある場所であり、最後の宿泊地でもあるコモへと向かう。高速は順調に走り終え、一般道に入った途端イタリア交通事情の洗礼を受けたぜ! ていうか、自分の運転技術の未熟さを改めて思い知らされたぜ! まあ、阿鼻叫喚の中、奇跡的にホテルにたどり着き、なんとか事なきを得る。というわけで、この4日間、総走行距離640キロ。よくぞまあ走ってくれました。勝因はほとんど高速だったことかな!(テヘッ
 ホテルはコモでもなかなか上等なパレスホテルのレイクビューのお部屋。うーん、ゴージャース。いや、シックな感じで金ぴかってイメージではないけど。
 夕方の短い時間でナノの買い物をして、それからMOMIへ。
 おおっ! 去年はまだ未完成な感じだったが、すっかり綺麗になってメニューも印刷したのになっていた(去年はペラ紙に手書きだったからなあ)。料理も完璧で、もう全部素晴らしかったのことですよ。
 前菜は鶏レバーのパテに湖魚のサラダ、それにバッカラ・マンテカート。プリモがダチョウの出汁のパッパルデッレ、ちりめんキャベツと2種類のチーズのピッツォッケリ(そば粉の短いパスタ)、黒米のリゾット。リゾットはほとんど盛り付けがチャーハンだろこれっていう。
 で、セコンドはスーペルコトレッタという名前の分厚い仔牛肉のカツレツ。薄く叩いてないので、火を通すのが難しいらしく、かなり時間のかかる料理らしい。スカレッタのシェフに、MOMIのカツレツはうまいと聞いていたので試したのだが、想像以上の素晴らしさでしたな。
 で、今日はことのほかドルチェの出来がいいということでそれも。いや、なに食ったか忘れましたが<ひどい
 そういや、去年のコモ市街からの徒歩での移動はさすがにまだ覚えられていて、さんざんそのことを突っ込まれたものの、まあ気にしない方向で。いや、なんか本当に普通は絶対やらないことらしい。まあそりゃそうなのだが。ていうか、今日はトンネルの照明が全部点灯していたのは卑怯だと思った。トンネル明るかったら、一年前のあの日はもっと平和だったよ。

 例によって例のごとく帰りはクルマで送ってもらい、寝たかったけどお仕事。延々午前3時過ぎまで。ぬああ。なんとか終わらせ、倒れるように寝る。

11/26 ひるめしに

 Aldo di Castiglioneへ。昼から。この旅の主目的と言っても過言ではない。
 その前にコインランドリーとか探して歩く。それらしい名前の店はあったが、やはり違った。というわけで、洗濯は手洗い続行。
 で、戻ってカミさんとナノを連れて、市の立っている市街へ。そこでなにやかやと見て時間を潰し、1時前にお店へ。
 ああもうちっとも変わらないよ。そしてここに来るたびに絶対イタリア語ちゃんと聞いて話せるようになろうと思うのだけど、いつもダメなんだよなあ。
 入るなり、カミさんとナノを見てマダムがにこにことなんか言ってる。ほとんどわからないが、喜んでくれてるのはわかる。でまあなんかいつもよりマダムの言葉数が多くてわかんないこといっぱいなのだが、それでもなんとなくわかってダイニングへ。
 注文はいつも通り。つーか、料理もいつも通り。
 だ が そ れ が い い!
 サルーミの盛り合わせ2人前、インサラータ・ルッサ、ヴィッテロ・トンナート2人前、カルネ・クルーダ2人前ときて、温かい前菜のスフォルマートとタルトのフォンドゥータチーズソースがけ1人前をシェア、ペペローニのバーニャカウダソースを1人前シェア、プリモはナノがタリアテッレのバターソースを半分量、カミさんがおなじくタリアテッレのアロッストソース、自分がニョッキのソーセージソース。セコンドは自分だけでボッコンチーノ、そしてブネッで終わり。今年も食後酒にペトルース(?)のアマーロをロックで。
 特になにがどうこういう料理ではないのだが、じつにうまい。まさにピエモンテ。
 お腹きっついのを抱えてナノを昨日の仮設遊園地、メリーゴーラウンドで遊ばせ、カミさんはその間に買い物、自分はゲラ読みという大変な状態だったがまあ無難に。
 ナノ用の夕飯と、ちょっと買い物をして戻り、明日に備える。

 そう、お気づきの方もいらっしゃることと思うが、アルバに行ってないんよ。
 明日、ミラノへの移動のついでに寄る予定。なんてこった。

11/25 あーすてぃ

 早朝(現地時間は昼前)、再校のゲラが届く。PDFなのでiPadでもできようってんでそのようにセットアップ。最近のビューワーはPDFに書き込みもできるから侮れん。つまり、その気になればiPadで校正作業が全部OKということ。メールに添付して返送すれば、まんまゲラを赤ペンでチェック入れたかのようにできるってわけ! エキサイティングだね。
 まあ、ちょっと指先で書き込むの、ポインティングが難しいけどね。そのためにスタイラスを持っているのでそれを使う方向で。

 で、二度寝して寝坊する。朝食をお願いしていた時間からちょいと過ぎて階下へ。うまー。パンとジャムだけの朝食なのに! いやもちろんハムとかもあるけど。
 が、その最中に、腕に付けている数珠の糸がほつれて珠がばーっと。最初はテーブルの上だけだったが、落ちたいくつかのを拾おうとして今度は胸ポケットに回収していたのをぶち撒き、それをなんとか回収して部屋で直そうとして3回ばらまく。
 賽の河原かい!
 そんなこんなで、カミさん等の協力の結果なんとか復元に成功。荷物まとめて宿を出たり。
 したら今度は霧また霧。なんとか視界がクリアになったのは、ピエモンテ州に入ってしばらくしてからのことというからお立ち会い。もうね、オレになにをしろと。まあ、そんなに危険な目には遭いませんでしたが。

 そうこうするうち、アスティに入り、無事ホテルにも到着。ナノは鳩マスターふたたびの野望を掲げ、ホテル前の公園で果敢に挑戦するも、アスティの鳩は人見知りするらしく失敗。しかし、公園の遊具と大量の落ち葉にすっかりご満悦で、鳩マスターの野望はどこかへ行った模様。
 昼ご飯は中華屋。アスティで一番好きな店は動かないが、じつは2、3番を争う好き具合の店。たまに炒飯とか無性に食べたくなるでしょ。そういうの。
 それから町中で買い物。カミさんが無双してた。買い物無双。自分の知っている店はすべてカミさんに見せた。気に入った店はだいたいカミさんも気に入ってくれて、まあなんやかやと買っておりました。
 ナノは広場にあった仮設遊園地とかメリーゴーラウンドとかに乗って、おもちゃ買ってもらってまあまあご機嫌。無念だったのはせっかくトランスフォーマー買ったのに、本体がなくて買ったパーツが役に立たなかったこと。
 で、結構暗くなってからホテルに戻る。準備にちょっと手間取ったものの、今夜の目的のファルコーネヴェッキオに。
 驚いた。間口狭いのに中は広くてサービスも良好。味も悪くない。こういう店がいきなり出現するあたり、侮れん(店自体は結構前からあったっぽいが)。
 ちなみにシェフは日本人。挨拶はしなかったが、なかなかいい腕をしている模様。

 それから帰って寝る。ちょっと遅くなった。
 そういや、明日アルバに行く予定なんだが。

11/24 ほし

 ミシュランの星というのを、正直バカにしていた。日本のはいわずもがなで、海外のにしても、本国はともかく、イタリアなんか郷土料理全滅で、ああひどい偏見のもとに作られているのだなあと。いや、そういう傾向はやっぱりあるとは思うのだが、それをしてなお取るよりも維持する方が困難だと言われる三つ星を15年ほど続けている店がある。
 ダル・ペスカトーレだ。
 正直言えば、関心はなかった。ここでスーシェフやってた人が目黒にお店を出すまでは。
 ここのシェフ、ナディア氏はそれはもう厳しい人らしく、そこでスーシェフにまで上り詰めた人間は、半端な実力ではないと言っていい。食べて言うんだ、間違いない。ほんと、目黒の店は相当なものだと思う。で、じゃあ彼が学んだ店はどうなのかと。
 まあそれでも、最初は行けるとは思っていなかった。だって子連れだもの。ヘリポート3つだもの。動物放し飼い天国だもの。
 が、あろうことか、三つ星のくせに子供大歓迎と言うではないか。もちろん節度は必要だと思うが、とにかく店自体が子供いて全然OK、それなりのサービスをしますよって姿勢だと聞いて、しかも予約まで取ってもらえて、そりゃ行かないわけにいくわけがない。
 ややこしいけどとにかく行ったってことで。
 ベネチアからクルマすっとばしてカンネト・スローリオまで、ロスタイム入れて3時間半。よくぞ運転したぞオレ。すげえぞオレ。まあとにかくなんとかなったぞオレ。ほとんど高速だったけどナ。
 余談だが、イタリアの高速はじつに走りやすい。周囲の運転マナーとかいろいろあるが、それをさっぴいても運転しやすい。ここでしっかり運転に慣れてから一般道に出る方がいいんじゃないかと思えるくらいだ。
 そんなこんなで、高速降りてからも高速なんじゃねえのと思うような田舎の一本道(しかもどこまでも一直線なんだ!)を通り、無事カンネト・スローリオの宿へ。それからダル・ペスカトーレへ向かい、優雅な時を味わってきたという按配だ。
 ナノはイタリア料理があんまり舌に合わないらしく、なにを出しても食べてくれない(例外は生ハムの類と海産物、特に海老)のだが、ここの料理はがっつくのなー。もうこれがすべてをあらわしていたような気がしてならない。
 前日のVini da Gigioもかなりよかったのだが、やっぱり完成度ではダテに星3つも取ってないよなあという具合。
 まずアミューズがカボチャのポタージュ。まあ普通のカボチャで作ったのを想像してると、よさそうには思えないわけだが、これがシャレにならないくらいうまいのですよ。もうびっくり。ナノが一口口に入れられて、それからノンストップという。量はたしかにたいしたことはないけれども。
 で、ここからコースでとったので分かれてて、カミさんが肝臓の前菜、こっちはロブスターのテッリーナ。ロブスターは目黒の店でいただいているけれども、やっぱり材料の違いによる味の差があったという。逆言えば、さすが元スーシェフ、ほとんど技巧的な差はわからんかったです。
 で、次がリゾット。サフランの入った濃いミラノ風のやつ。それからニョッキ、鯛と続いて、最後はうさぎの煮込み。フォアグラ入れて巻いたの。
 料理はどれも隙がなくて凄かったですが、なにが凄いってやっぱりサービスで。
 こっちの様子を完璧に見ていて、先回りするでもなく、かといってこちらに不足を感じさせるでもなくという感じで、あくまで黒子に徹して、こっちを楽に過ごさせてくれているという。
 なにも考えてないと、本当にサービスされていることをほとんど感じないかも。

 ナノが食べ終わり、庭を駆けずり回っている犬たちのもとへと向かおうとそわそわする中、自分たちは食事続行。一応誰彼が表に様子を見に行くものの、ほとんど完璧に店員さんのチェックがあって、こっちの心配はほぼ杞憂に終わったという。
 ナノはもう大変で、犬と一緒になって庭を全力疾走し続け、帰る直前までそんな調子だったという。
 犬は2頭いて、ジャーマンシェパードの方はおっそろしく頭が良く、もう一頭のゴールデンレトリバーの方はちょいとお間抜けなのが大変によろしいコンビネーション。
 シェパードは子供を産んだばかりで、近寄らせてはもらえなかったものの、ころころと走り回っている姿は大変に愛らしく。なんでも、来週にはもらわれていってしまうらしいので、あの姿は今週が最後の貴重なものだったとか。
 まあそんなこんなで日も暮れて、帰る時間となり、別れを惜しみつつ宿へ。この辺も三つ星のサービスの一環なんでしょう。演出というと嫌う人も多かろうと思うけれど。

 それから、いったんアキさんとはお別れで、自分たちは宿にとどまり、明日のアスティに備える。夕飯をナノが欲しがったので(自分たちはもう結構だったのだが)、ピッツァを買い、戻り、結局あんまり食べずに寝るのであったのでした。
 今日の運転に気を良くして、明日もなんとかなるだろうと軽く考えつつ。

11/23 むらーの

 朝からムラーノ島へ。ガラス細工で有名なところ。
 カミさんはベネチアングラスに夢中で、ナノは手にしたパンで鳩マスターとして島のごく一部に勇名を轟かせる。
 そんなこんなでいろいろ買い込み、本島へ戻る。すぐにVini da Gigioへ。おめでとうございます大会。生魚で1プレート。まあなんてステキな。
 そこからゴンドラに乗る。ゴンドラはいいねえ。なんかこう、ヴァポレットも悪くはないけど、やはりゴンドラだ。黒いああいう形の舟に乗って、運河をたゆたうのはじつにステキ。
 そうして今度はガイドのアキさんご紹介の仮面ショップで仮面を買い込み、本日の締めとなるサンマルコ広場へ。サンマルコの空には青色発光ダイオードを灯してくるくる回って落ちてくる玩具が舞っていたぜ。値切ると2ユーロくらいにはなるぜ。言い値は5だぜ。
 で、カミさんと自分は今日もナノ抜きの外食。今日はCa’ D’Oroという場所の路地の奥まった場所にあるお店へ。オーケイ、すばらしいぜ。要するにベネチア名物の一杯飲み屋が奥でレストランもやってるパターンの店。魚介を思う存分堪能したぜ。
 そして帰る。今日も「もっとゆっくりしてくればいいのに」と言われてしまう。帰着は9時半。もちろん夜の。まあそうなんですが、腹いっぱいだし、酔っぱらっても見知らぬ土地で冒険する勇気もないふたりだとこんなもんです。

 あしたはブーブー企画第二弾! いやそれじゃない、カンネト某でああいう店に行くぜ! 二度と行けるかどうか微妙な店だぜ! いろんな意味で!

11/22 いいにぃにの日

 いまごろアマガミSSを消化している(いや、正確には出発直前まで。HDDの容量を空けるためだもちろんじゃあ消せばいいじゃん)せいで変なタイトルになっているが気にしない方向で。

 オルヴィエートからベネチアへ向かう。
 朝食を食べ、荷物をまとめてホテル近くのバス停へ。いいタイミングでバスが来て、のっかって駅直上のカーエン広場へ。したら時間が余りすぎたので、広場近くの公園を散策。うー、どこからともなくかぐわしい香気が。どうしてこうみんな外で放尿するかな。
 それから下へカーブルカーで降りて、もうホームに止まってた電車に乗って出発。
 ナノはガイドのアキさんのおかげで退屈することもなく、5時間余の長丁場を無事乗り切る。途中、他のコンパートメントに行って、印を結んでがに股になり(ほら、ちょっと前に超話題になったマクドのハッピーセットのサスケのあのポーズそっくりなヤツ)、「暗黒忍者〜」とやってた事件(元ネタは怪傑ライオン丸だそうだ。誰が知ってるそんなの)とか、せんとくんが電車と同じ速度で追ってくる事件とかいろいろあったが、まあそんな感じ。
 その他は特になにもなく。移動中は寝たりiPhoneで地図見たりして過ごす。いやまあ平穏な日であったことですよ。

 ベネチアは2年前とほとんど変わらず。宿泊場所が今回はアパートメントなので、自由に過ごせてよい。
 場所はメストレ側に近い島の端なので、ちょっと中心には遠いものの、水上バスのバス停も近いし、あまり不便を感じない。
 今日は夕飯を夫婦とアキさん、ナノの別で食べることにしたので、そのための買い物に出る。町中のハム屋さんで適当におかずを買ったが、かなりうまそうだった。
 で、自分たちはそれから宿を出て、島の中心にあるDo Spadeという店へ向かう。
 途中までは道を知っていたのだが、リアルト橋を渡った瞬間道に迷う。GPSもおかしくなるし。カミさんの機転でなんとかたどり着くものの、もうへろへろ。
 で、肝心の食事は、十分に満足できるものだった。
 前菜は鰯のDo Spade風とイイダコのトマト煮ポレンタ添え、プリモはカニのラビオリとスカンピのスパゲッティ。メインはバッカラとスズキのフィレ。
 カミさんは食べきれず、自分も自分の分で手いっぱいで、まあなんか残して帰ってきました。
 でもって眠くてそのまま寝るパターン。

11/21 mottainai

 早朝4時半に目が覚めてしまう。で、メールチェックしてみたら案の定仕事メールの嵐だぜ。
 寝られないのをいいことに、そのままパソコン引っ張り出して仕事。まあ連絡関係なのでささっとメールして終わり。あとはテキスト読み返したりなにやらで朝まで。
 それから洗濯物を洗濯屋に持って行き、その間に駆け足で市内観光。スペイン階段とトレビの泉。戻って洗濯物を回収して、そのまま大急ぎでオルヴィエートに向かう急行に。
 4人連れなのに、2人ずつバラで(しかも車両もバラ)席が割り当てになっててちょっと失敗。まあ、1時間ばっかしのことなので、問題なく到着する。
 それからケーブルカーで上の町に上がり、バスでドゥオーモ前まで行き、ホテルへ向かう道すがら昼飯を食べる場所を探す。が、月曜日だったせいか、目をつけていた店が全滅で、結局ホテルに着いてしまったりする。
 そのホテルが質素なんだけどすごくいい感じ。3人部屋なんか二間あって、段差ついててちょっと洞窟風味だったりね。設備もしっかりしていて清潔だし。もう言うことなしな感じで。
 ホテルに着く直前、入口から見えた食堂に、チェックイン完了後大急ぎで向かうと、午後3時ギリギリだったが入れてくれた。でもってついつい頼みすぎてしまううえに、サービスでガンガン皿が出てきてもう大変。今夜予約入れてるのに!
 いや、たまたま入ったのに、本当に美味しい店で、メインは頼まなかったんだけど、頼まなかったのがもったいないくらい。
 で、それから散歩に出る。今日もナノの木登りがメインの目的。 西の端に近いホテルから東の端のカーエン広場までよくも歩いたものだなあ。そんなに遠いわけではないけど、ナノも一緒だったので。
 広場に近い林で木登りを堪能した後の帰り道、ナノご希望のドラゴンフィギュアを発見する。全体的にチープなのだが、ナノが目を付けたものだけは別格によかったので、文句を言わずに買う。
 で、部屋に戻った途端、腹は一杯だわ、眠いわで大変なことに。気合いで向かうが、当然のようにまともに食べられず。
 この店目的で来たのに!
 いやまあ、サグランティーノ飲めたし、懐かしい料理はどれもうまかったのでよかったのだけど。あと、店の支配人(?)やってるエジプト人のお兄さんが顔を覚えていてくれて、日本人大好きな人だったのでよかった。通訳できる人がいてくれると、こういう部分で本当に助かります。
 てなわけで、エジプトの人にクルマで送ってもらい、その日はつつがなく終了。
 なんもなしで寝てしまいました。