一夜明けて。つーか、3時半くらいに目が覚めてそのまんま。
うーむ、旅先ではもうちょっとちゃんと眠れるタチだったはずだが。やはりちょっと今回調子がおかしい。心の持ちようなんだろうが、どうにも。
なんだかんだとネット見たり日記書いたりして、朝まで時間を潰してしまう。いいことじゃないが、まあ寝られないんだし、それが一番リラックスできるんだからしょうがない。いやでも、いままでは結構きちんと寝起きしてたのになー。今回は全体的に
おかしい。
明るくなり、太極拳をやるというのは頭から吹っ飛んでて、朝飯食べてからほどほどの頃合で外に出る。昨日はざっと見て回っただけの島内を、きっちり見て回ろうって考え。
まず、暑いので短いズボンを手にいれるため、目抜き通りを流す。最初に行き当たった土産物店で短パンを買うが、どっちかっつーとこれ海パンだよなあってのを。バミューダみたいなのがよかったんだが。
まあとにかく涼しくはなった。脚からの放熱大事。腕とか、末端からの放熱で体温調節してるんだ
なあと痛感する。
しかし、予報では23度とかなんだよね。うそつけー。実際、日陰の気温はそんなものなんだが、日向が凄まじい。半日歩き回っただけで、結構黒くなったもの。
それはさておき、一旦宿に戻って着替えてから、本格的に島を歩き出す。正確には、島内の1/4くらいしか歩いていけないんだけど。残りは火山と崩落してとても陸路では入れない斜面と、隔絶した島の反対側の集落(ジノストラという)って感じ。
最初の目標は、蜥蜴屋に並ぶもう一軒のレストラン。海岸沿いの通りを行った先にあるってこ
とで、
実は昨日の夜も下見に行こうとしたのだが、グー
グル地図に書いてあるより随分先にあるとわかって引き返したのだった。今日はそのリターンマッチ。と、思ったら、ちょっと先まで行ったらもうあった。つまんない。
そんなこんなで目標をさらに先に切り替えて出発。ちょっと進むと小さなビーチがあって、管理人と思しき人がお花を植えてましたよ。まだシーズンの走りなので、準備中って感じだった。午前早かったので、ビーチにまだ
人はいなかった。
そこか
らは急に道が狭まって、建物の間を路地が縫っている感じに。幅はせいぜい2メートルってところで、クルマなんか通れるはずもないと思ったら、そんなことはなかった。もともと、この島はカートのような小さなクルマが主に走っているのだが、一方通行ながらそれが奥から走ってくる。そういえば、路地の入口には一方通行出口の標識があったけど。
ぼんやり立ってたらはねられちゃう
から、通りに面した家の裏口に避難しなきゃなんないとか。普段、この道歩く人間いないのかね。
ちなみに、地図上では
この路地がメインストリート扱
い。びっくり。
家の間からは真っ青な地中海が見えたりな。白漆喰の壁の間から見
える海と空を見られただけで、ここに来た甲斐があったのかもしれない。
その道をさらに進む
と、プライベートビーチがあったり、さらに山に向かう砂利道への分岐があって、その先にはオープンテラスの食堂(夜は噴火の様子が見られる)があるとか、上を平行に走る道へのバイパスがあったりとか。上の道は
それなりに広くて、教会があったり、おそらくお金持ちの別荘が
あったりとか、
あと農地もちょっと。どちらにしろ、道はそのあたりで行き止まりになっていた。もうちょっと行けるけど私有地だったりね。
というわけで、上の道をホテルの方向へ引き返すことにする。疲れてきたし。途中、ネットのガイドにもあったエノテカがあったので、雰囲気も良さそうだったし、昼飯はそこにと心に決める。
さらに戻っていくと、火口近くまで登るトレッキングツアーの事務所に行き当たる。行こうかどうか考えたが、受け付けてるかわからなかったし、明
日の朝にはもう島を離れるので、長時間拘束されるツアーはやめることにする。でも、貸し靴もジャケットやパンツもあったし、その気になればどうにでもなったかもしれない。
そこからちょっと道を下って、さっきのビーチに出て、夜の食堂の電話番号を確認してまた上に戻り(結構大変だった)、ジェラート食べたり、ウインドウショッピング(ウインドウがな
いけど)したりして部屋に戻り、着替え、そしてシャワー。昼飯の時間になったので、てくてく歩いてさっきのエノテカへ。
オープンテラスで気さくないいお店でした。料理は普通。葡萄酒は美味しかった。いやまずいところを探す方が大変なんだけど。料理はともかく、葡萄酒まずかったら客こない空気。
奥に先客がいて、その人たちが帰って行ったのがちょうど2時くらいか。で、いろいろ試して、メインも食べようかなーと思ってたら、店の人の知り合いが来て、ランチにしようって雰囲気で、頼もうとしたら「もう何にもできないよー」って言われて帰れって空気出されたので帰ってきた。残念。相手の気持ちもわかるし、特別扱いして欲しかったわけじゃない。ただ、言葉がもっとちゃんとしてれば、相手の気
持ちもわかっただろうし、こっちの気持ちも伝えられたかなって。
今回そんなのばっかりで。
ぼんやりと宿まで引き返し、夕飯までどうすっかなあと考えていたら、出入り
に使ってる宿の裏口の前に島一周のボートのツアー屋があって、店の人に「どうかしましたか?」(常套句)と英語で声をかけられる。
即決。島の周り見てみた
かったし。25euroって値段も手頃だったし。
なんとすぐ出発ってことで、部屋に戻り、準備して出る。海の上なので、とりあえず電話と小銭、カードだけ持って出る。
面白かったです。島を本当に時計回りにぐるっと回
って、反対側のジノストラ、噴火口を見て、最後にストロンボリッキョという沖の小島の近くで軽く泳ぎ、戻ってくるという流れ。ただ、泳げるって知らなかったのと、海パンっぽいパンツは履いてたもの
の、タオルも何にも持ってなかったので、一人で船に残ることになったのだけど。多分、泳いだら泳いだでなんとかなったとは思うが。
話を少し戻して、船が桟橋を離れると、すぐに噴石で覆われた斜面が見えてきた。ああ、あそこを横断するのは確かに無理。山羊も通わない感じ。いや、歩けるだろうけど、ガスなんかもあるし、多分地面が熱いので。
それからさらにいくと、やがて島の反対側の集落のある崖地が見えてくる。切り立った崖の上に小さな集落があって、そこも一応泊まったり食事したりできるようになってる。というか、ちゃんと人が住んでる。
とにかく壁は高くて、上り坂が急。上にたどり着くだけで息が切れる。ただしそこからの眺めは絶景。海は澄んでいて、とてもステキ。
上がりきったところに小さな食堂が
あって、そこで炭酸水を買う。暑くて暑くてもう。さらにちょっと下がったところに雑貨屋が。何かお土産があるかなと思ってのぞいたが、ピンとこなかったのでやめた。
もっと奥に行きたかったが、時間がないのでやめにして戻る。やはり、船は自分の帰りを待っていた感じ。そんなに待たせてはいなかったが。
そこからさらに島を回ると、さっき
のなんか目じゃない噴石と火山灰だけでできた斜面が登場。その先では噴煙が湧き上がっている。夜なら赤熱した噴石が舞い上がる様子がはっきり見えるんだそうな。夜もツアーがあって、ここで噴火の様子を眺めるらしい。が、すでに8時に食堂の予約をしてあって、ツアー終わるのが9時半とからしいのでやめにする。予約後ろにずらせばいいじゃんとか言われたけど、疲れるしねえ。
ツアーやめたのはあんまり後悔してないが、またこられたらその時はと思う。登山も船もやりたいねえ。もともとここはそういうところだし。あと、ジノストラにも滞在したい。昼間だけでいいから。
してみると、ここには1週間でも足りない感があるのだが、いやしかし他にも行きたい場所があり、なんとも悩ましい。
家族づれなら、まずマレッティモだよなあ。ナノをあの島で1週間くらい遊ばせたいが、しかしもうすぐ中学生だし、無邪気に楽しんではくれなさそうな気もする。
戻って、そこからはぼんやり。明日はもう移動なので、必要のない荷物をまとめ始める。やはり3日はいる予定を組むべきだった。いまにして思えば、トスカーナは省いてよかった気がするが、この時点でわかれば苦労はないし、フィレンツェとグレーヴェではそれなりに面白いこともあったので、まあいいか。アスティは個人的に外せないしなあ。トリノこそいらなかったが、素通りしただけだから関係ないといえばないし。
まあとにかく、無念さをちょっと噛み締めつつ、しかし素直な海産物だけの飯から解放される安堵感もあったりして、ちょっと複雑な気分。日本人なので、素の海産物ならもっと好みの食べ方があったりするので。まあお刺身とかそんな好きじゃないから、どうでもいいといえばいい。ここで刺身出されても困るだけだし。やはり大海老食べ損なった(それも自分のせいで)のが痛恨。そういう意味でももう1日欲しかった。
時間が来て、夕飯に出る。8時だが、高緯度地方の常でまだ明るい。北海道より北だもんなあ。暑いけど。
店の名前はPunta Lena。食堂が海に向かって開けていて、素晴らしい景観が楽しめる。やっぱりここでも全力で食べるべきだったなあと今更思ったり。まあ、それでも昨日ほど引いた気分ではなくて、料理の量を考えながらも、ほどほど楽しめましたが。
前菜はやっぱり揚げた魚をマリネにしたもの。野菜たくさん。1皿目は島の名前のついたスパゲッティ。パン粉たっぷり。昼間のエノテカでも似たような名前のパスタを食べたのだけど、全然違うものだった。当然こっちのがうまい。
2皿目はネットの写真に
も出てたお魚のグリル。野菜散らしてあって、これも品が良くて美味しかった。なんか、ここにきてようやくちゃんとした料理を食べられたような気がする。他のところも不味いわけじゃないけど、料理店というよりは家庭料理の延長みたい
な感じで。ああ、蜥蜴屋はわからないけど。あそこはもう一度試せたら是非とも行きたいかなあ。
葡萄酒はハーフの赤を。いやほとんど魚料理だけ出してる店でリストに載ってるんだし、大丈夫だろうってんで。大丈夫でした。グラスは基本的にないらしい
んだけど、地元のを開けてくれるとは言ってた。そっちでも悪くなかったかなー。
で、アマーロ飲んで、帰ろうとしたら、マネージャーっぽい女の人がなんかとても丁寧にお礼を言ってくれた。そんな量頼んだわけでもないし、まあ綺麗に食べはしたけど、なんでそんなに丁寧に扱ってもらえたのかよくわからない。他のお客さんにもあんな感じなのかな。そうなんだろうきっと。
店を出て歩き始めて、周囲に一切街灯がないことに気づく。いやーすげえぞ真っ暗。そりゃ噴石も見えるってもんだね。
しょうがないので、iPhoneの懐中電灯モードで歩き出す。タクシー(カートみたいなあれ)頼むべきだったかなーと思いつつ、襲われる心配もないだろうし、これも経験と思って歩く。距離はそんなにないことはわかっているし。
空はやっぱり噴煙のせいであんまり見えず。あーもったいない。いい天気なのになー。天の川初体験とはなりませんでしたな。
歩いて帰ったらほろ酔いなのも吹っ飛んで、すっきりした気分で荷造りして風呂にも入れました。
明日は早朝から陸に向けて出発。うーむ、ミラッツォから先の足は大丈夫だろうか。それだけが不安。
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