月別アーカイブ: 10月 2009

10/11 最後の夜だよ

 帰還は明日の夜遅めの便なので、活動時間はまだ1日残っているものの、いままでの経過から考えて、余裕を持って空港に行こうと思っているので、実質半日あるかどうか。

 朝ゆっくり寝て、10時に出発。目的地はまずアルバ。トリュフ祭りを見物し、それからアスティに行ってゆっくりする。
 アルバのように目的地が都市だと、標識頼りに行けるので運転に余裕が出る。GoogleMapはサポート用。道を外れてたり、わかりにくい道だったりした時、ちょっと確認するためにつけておく。
 アルバの場合はまったく必要なかったが。
 ホテルを出て、標識通りに行くと高速に入った。そのまま、あとは道なりで、途中アルバとある出口で出て、あとは標識見ながら。あっという間に街外れの大型駐車場へ。有料だから、普段はあんまり人気がないが、ことトリュフ祭りになると話が違うようで、11時の時点で半分以上が埋まっている。
 さっそくクルマを停め、見物へ。町中の地理はよく知ってるので、迷わず歩ける自信はあるが、いかんせん人出が凄い。
 目抜き通りや広場には、もう露店、露店、露店。トリュフとポルチーニ、それに地ワインだらけ。
 メインの市場は町の真ん中に出ていて、業者をうまく選べばかなり安めに買える。いや、物には限度があるけど。本当は交渉できればもっと安くできるのかもしれない。
 さんざん、山と積まれた巨大トリュフなんかを流した後、目玉焼きに白トリュフを落としたのをいただく。28euro+卵3euro。えー、こんだけー? 28euroで、それなりの大きさの買えるのに? なんか損した気分。こういう場所のがっかり感は、どうも日本とあまり変わらないらしい。ちょっと残念。他の地域の収穫祭なんかの話を聞くと、利益より楽しむの優先してたりする雰囲気があるので、その空気がちょっぴりでもあればと思ったんだけど。

 それから早々に町を出て、今度はアスティへ。さらに道は簡単。すぐに高速に乗って、あっという間。ちょっと出口で別方向に行っちゃったものの、すぐに軌道修正し、目的のホテルへ到着。駐車場代込みとか予約時に出てたのだが、なんのこたーない、ホテルの軒先に路駐(正確には歩道だが)なのな。むー。いや、怒られないみたいだし、別にいいのだが。
 昔泊まったことのあるホテルで、受付の人たちがフレンドリーで好きなのだった。ウェルカムワインは健在でした(笑) 今回はバルベーラ・ダスティ。
 いや、しかし泊まってみて、いままで何度か駅に近い場所に浮気していたことが悔やまれる。こっちの方が全然いい。駅からは遠いが、それ以外は値段も、気分も段違いだ。中心街へのアクセスはおなじくらいいいし。
 少し休んでからいい時間になったので買い物に。ナノへのお土産物とか。
 町中は日曜なので、広場に市が立っていてものすごい賑わい。ただしアルバと違っていつもの市なので、浮ついた感じは少ない。
 しかし、アスティ、日曜日スーパー休みなのか! 他の地域でも、日曜日にやってることをことさら強調してたりしたので、日曜定休がむしろ標準ってことらしい。
 そういえば、アスティにあるApple専門店を見てきたが、月曜日定休と書いていながら、営業は火曜~土曜の何時としか書いてない。日曜日休みはデフォルトということか。
 イタリアでは日曜休みがむしろ当然(カトリックのお国柄だし)なのは知っているつもりだけど、あまりそういうのとは無縁に感じるスーパーやコンピュータ屋まで当然のように休みなのはすこし驚いた。
 そういえば、食前酒飲もうと思って寄ろうとしたワインバーも定休だったなあ。

 夜になり、身支度を調えて、アルド・ディ・カスティリョーネへ。なぜ、無理な日程組んでまでアスティに行くかというと、このお店があるから。
 そして至福の時間。セコンドの前までは。セコンドがまずかったわけじゃないよ。
 まず軽くサラミと生ポルチーニを乗せたカルパッチョ、それにカルネクルードの冷前菜。やっぱりケラスコのより美味しいと思った(厳密に言えば、ブラの生サルシッチャとカルネクルードだから、材料なんかの違いで別な物なのかもしれないが)。続いてヴィッテロ・トンナート……あとなんだっけ。それとロシア風サラダでよかったんだったかな? 要するにツナ入りポテトサラダ。これがじつはうまい。で、温前菜の……あーなんだっけ。それと、ペペローニのバーニャカウダソース。
 以上、(伏線)前菜。
 プリモは、オステリエ・ディターリアに載ってたキノコのズッパ。他にもそそるものはあったんだけど、これにした。たぶん、これでなかったら大変なことになっていたような気がする。
 味はもちろん抜群。これ頼んで本当によかった。
 セコンドは猪の煮込み。ポレンタとポテト付き。これが最大の失敗。ポテトはいらなかったし、ポレンタはもっと小さくしてもらうべきだった。つぎのデザートも含めて。
 でもほら、なんというか2年ぶりだし、やっぱいま一番好きなお店なので、出る物は食べちまうですよ。もうこの頃、たぶん顔が青かったと思う。
 で、デザートは生フルーツでと思ったのだけど、強くフルーツのチョコレートケーキを勧めてくるからそれにしたさ!(もうヤケ)
 グラッパで胃を麻痺させてもしばらく身動き取れませんでした。(/伏線)ああもうなんつーかなあ。

 帰って薬を飲みまくり、食休みをたっぷりとって寝た。死ぬかと思った。本当に死ぬかと思った。薬が効いたのか、すぐに楽になったのは幸い。ナポリでも凄まじい量で夕飯をかなり食べられず、本当に申し訳ないことをしたが、今回は後がないのでそれ以上。バカだなーと思う。本気で。

10/10 ケラスコ……あれ?

 すでにロカンダ・アルピーナで酷い目にあっているというのに、またやらかしました。今夜泊まるHotel Express by Holiday Inn Langhe Cherasco(あー、長い名前だ。でも、もうそらで打てるようになっちゃったよ)のことであります。
 このHotel Express(略)ですが、Google Mapに名称を入れてググってみてください。ケラスコ(Cherasco)という町のすぐ横にピンが立つのではないでしょうか? わははー。ふざけんなー。実際はそこから西に7キロほど行ったところ、ちょうどケラスコ出口の前にある料金所のすぐ脇にあったりするわけです。
 つまり、このHot(ryから目的地であるケラスコのローザ・ロッサに行こうと思った場合、延々8キロの道のりをクルマ移動する必要があるわけです。まあ一本道に等しいので、ある程度はなんとかなるといえばなるんですが、飯食いに行くのにお酒が飲めないわけです。うああ、なんてこった!
 いや、なんだかんだ言って自業自得なので、これもそういう流れだと割り切って、クルマで向かったのですが。
 あ、そのH(ryへの移動はまあなんとかなりました。行き着くために、ケラスコに着いてからさらに30分ほど空費しましたが。でもまあ、それは余裕持ってたので問題なし。
 さて、お土産買うついでにと早めに移動したケラスコ(暗くなってからの運転もイヤだった)ですが、目抜き通りが何百メートルかあるだけで、他に何もない! しかしお店の開店まで2時間もある! な……なにして時間潰そう。
 しかも、駐車はどうやら迷惑にならなければ自由な感じなのですが、いやしかし、町の事情を知らないから、本当にそこに停めていいかとても不安。で、結局、公式にPマークのある区画が空いたので、そこに入れて事なきを得たわけですが。いつもそんな幸運があるかどうかわからないうえに、なにしろ土曜日の夜でしたから、かなり危険な賭けだったかもと後になって気づいてみたりして。

 お店はよかったです。ケラスコはカタツムリが名物らしく、いたるところにカタツムリ料理の看板があったんですが、それを主菜で頼んでみました。フリット。野菜付き。前菜はブラ(Bra。近郊の都市。スローフード協会の本拠地)の生サルシッチャを、プリモは赤ワインのリゾット。ここの名物はタヤリンやプリンなんですが、なぜあえてリゾットにしたのかといえば、飲めない分赤ワイン分を補給するためだったのは言うまでもありません。
 カタツムリのフリットは不思議な味で、なんというか、いままで食べた貝の中でも一番濃厚な味がしたような。
 リゾットはやはり美味しかったのですが、変わっていたのが栓つきのビンに入っていたことで、どうやら香りを封じ込めるためだったようです。前菜の生サルシッチャは、明日行くアスティで出る定番の方が美味しかったかもしれません。
 ドルチェはブネッ。日本で出るのの優に3倍はありました。あの外見(穴あきのチョコレート色したプリン)で最初に想像した味そのまんまでした。ああ、やっぱりオレは間違っていなかったと。
 根性なしとののしられようが、炭酸水で押し切りました。でもおかげで体調はすこぶるいいです。やっぱり呑みが腹を苦しくしているのは間違いないところ。

 冷や冷や物で夜道を運転し、なんとかホテルに到着。そのまま寝ましたが、十分に時間を置いたおかげもあって、快適に眠ることができました。
 明日はアルバ経由でアスティ。アルバでは、いま、トリュフ祭りの真っ最中……のはず。

10/9 ぶーぶー発進!

 今日は、キウーザ・ディ・ペシオという町にある(正確にはかなり離れていたが)、ラ・ロカンダ・アルピーナ(≒アルプスの宿?)へと向かうべく、クルマを調達する日。
 ゆっくりめに起きて、体力を温存してからトリノへ向かい、そこでレンタカーを借りるという段取り。(伏線)バウチャーもメールで入手しているし、準備万端。iPhoneでちゃんとすぐ呼び出せるようにしておく。
 お昼過ぎになって、お土産買っててちょっと手間取ったが、なんとか電車に飛び乗る。そこからはぼんやりと音聞きながら電車に揺られて午後3時前にトリノへ。で、レンタカーオフィスが見つからないので、ぐーるぐる回ったあげく、インフォメーションに聞いたら、そこ、と指を差される。あった。なんかプレハブにおさまったレンタカー屋が、本当にすぐ後ろに。
 で、バウチャーを見せると、ノ、と首を横に振られる。よくわからないが、プリントアウトしてないと受け付けられないよとのこと。なんじゃそりゃー! 完全オンラインのくせに、旅行者の事情を全然考えてないそのシステムは!!(/伏線)
 押し問答をしたが、そういうものだからしょうがない。キャンセルするならクレジットカードを提示して、しかるべき処理を待てとかなんとかまで言われ、いろいろ考えをめぐらせる。
 受付のおねーさんは「ここにFAXしてくれてもいいよ」と言ってくれるが、FAXどこから送ればいいんじゃ。だいたい、プリントアウトしなきゃ、FAXは使えないだろうが! と思うが、言葉にはできない。
 で、困った時のナポリ方面でアドバイスをいただいた結果、ネットカフェで打ち出してもらうという画期的な(いや、自分が単に知らなかっただけです)策を授けていただき、受付のおねーさんに場所を聞いて出ようとしたら、突然の豪雨。
 もう笑うしかない。
 が、そこで雷鳴とともに突然閃いた。VPN経由で、こっちのパソコンに保存してあるバウチャーを、自宅から国際電話でFAXできないかと。ものすごく回りくどいが、手許にあるもので実現できるのはこの方法しかないと判断(カミさんにメールでバウチャーを送り、それをプリントアウトしてもらうという手もあったが、時間がかかると思われ。そうでなくても、ナノで手一杯だろうし)、やってみた。
 ま、まさか成功するとは! 仕事ほかして、FAXのシステム再構築と、VPN構築しただけの甲斐があったよ。
 というわけで、猛烈にクリアなバウチャー(なにも設定しないとファインモードで送っちゃうからね……ああ、電話代がw)が事務所に届き、問題は無事解決したのだった。

 その後、猛烈に降り続く雨の中、レンタカーに乗り、なんかひさびさのMTにビビりながらおそるおそるトリノの町中へ。高速に乗ってしまえば、あとは道なりでいいはずなのでそんなに恐くないはず。
 なんとか、ジェノヴァ、ピアチェンツァ、クネオの表示のある高速に乗り、ずっと行く。途中、アルバ方面への分岐があったが、気にせず通過……したのがまずかった。
 途中でいやな予感がしてクルマをSOSゾーンに停め、GoogleMapを見てみれば、案の定大きく道を外れてる。で、再度道を検索した結果、ちょっと先でUターンできることが判明。たすかったーとクルマを進めると、その出口っぽいゲートが。クルマを右に寄せ、なんかカード払いの方がいいかなーと思って、ちょっと左側のゲートを使ったのが間違いだった。そこは、単なる発券ゲートで、ちょうどそこと出口がパイロンで分かれていたりする場所だったりするんだな、これが。
 さらに泣きながらクルマはアスティ方面へ。なんか表示に「アスティの出口は、dalle10時閉鎖です」と出ている。dalleってなんだっけ。「から」だっけ、「まで」だっけ。いや、たしかからのはず! までだったらシャレにならん。交通的にも。
 で、延々走ってアスティの出口へ。セーフ。出られますた。で、指示に従って逆路線へ。あとは順調。さっきのゲートでふたたび券を取り、それから途中、1.3euroを徴収するゲートがあったので、今回は面倒くさいからカードにしようと思ってカード入れたら、これが通らない!! 何度やってもダメ。下がって別ゲートにしようとしても(まあ、たぶん交通法規違反だろうし)、すでに後ろには長蛇の列。そして機械からは機嫌の悪そうな声で理解できない(どうしたの? カード通らないの? 的な内容か)言葉が。もう、切羽詰まって、「ノ・カピスコ! スクージィ」と叫ぶと、なぜか領収書が出てきたとさ。すいません、本当に。いや、それ未払いの券だと思って、出口で出したら返されて、よく見てみれば「証明書」の文言が書いてある。「支払い」ってのもあったので、領収書で間違いないもよう。
 というわけで、もう高速ではいつもニコニコ現金払いに決めました。
 そこからは、トリノの雨に追いつかれたり、いろいろあったけども、なんとか高速を目的の場所で下りることには成功。
 で、一般道を走るのだけど、気がつくと道がそれている。そりゃそうだ、いちいち確認なんかできんもん。道案内の標識も少ないし。で、あっちいってこっちいってともう何回も道を間違えつつ、最後の最後で曲がる場所を当てて、なんとか一本道に入る。さらに、目的地の直前で曲がる場所も当てて、さあ着いたぞと思ったのもつかの間。

 ない。
 どこにも、ない。
 だいたい看板もなにもない!

 信用してたのに、Google!
 しょうがないので、目的地の近くで人をつかまえては「ロカンダ・アルピーナどこでしょう?」を繰り返すが、無視されたり、知らない人ばっか。いやしかし、電話して場所を聞こうにも、まず現在地を伝えられないので、どうしようもない。<じゃあ、クルマに乗んな!
 だが、窮すれば通ず(<いや、それは違うと思うぞ)とはよく言ったもんで、別の人にこうたずねた。「ここ、サン・バルトロメオ?」 アルピーナのある地名ね。したら「それ、ここじゃないよ。あと3キロくらい先」と来たもんだ。
 お礼と自分の馬鹿さ加減に声を上げつつ、クルマをさらに走らせる。ここかなー、ここかなーと走っていたら、なんかいきなり道沿いに、でかでかと壁に看板かかった建物があってさ。そこでした。クルマ停めるのも、なんか建物の横にクルマ良い具合に隙間あけて並んでてさ。全然問題なくて。

 というわけで、ここまで苦労すると、その宿もアレな感じがするものですが、打って変わって別天地。まず、とても気持ちのいい対応で、なんか言葉通じないけど、言いたいことわかってくれるし、受付の間、どんどん食堂にお客さん入ってくるし、ひなびた閑静な場所だけど、静かな中に活気のある宿でありました。
 食事も、なるほど、オフシーズンに近いはずなのに(たぶん、ここも夏と冬がオンシーズンでしょう。シーズン別の料金分けはなかったけど)、かなりお客さんが入っていたのは、近所の人たちにそれだけ愛されている証拠で、実際驚くほどうまかったです。前菜3皿ももらって、1皿目はタヤリン、2皿目はウサギで、ちょっと足りないと調子にのってチーズもらったら死にそうになりました。デザートはモンテビアンコ。
 ああそうそう、いくら品種が安ワインのそれだといっても、ガヤのがフルで20euroって値付けはちょっと凄すぎ。高くても40euroのはなかったと思います。
 あんまり美味しくて、他のも試したくなったので、お昼もここで。というわけで、明日は午後出発。さすがにワインは控えます。

10/8 アオスタ

 コモからアオスタへ。結構時間がかかった。途中、待ちが1時間入ったりしたので。
 その待ちの間、さる南米の国出身のイタリア国籍を持つ、日本在住が長かったという人に出会う。日本人がたまらなく懐かしかったらしい。本人も言ってたが、最初は思い切り警戒してしまった。北部の町なのに、そこはなんだかひどく雰囲気が悪かったので(駅構内の自販機やらのガードがミラノより固くて、ガラス戸とかバキバキひび入ってるの。蹴ったのかなにかして)。
 でも、身の上を聞くうちに、ちゃんとした人だということがわかる。理路整然としていて、調子のいいところがなかったから。あと、身分証とかパスポートもあったので。
 なんでも、日本語が使えるおかげで、無料の寮に入れてもらえて、仕事もあって、大学への補助金も出ているんだという。日本との交流を改善するためのプロジェクトに組み込まれて、専門教育を受けられるんだそうな。
 でも、本人は、じつは日本が好きなんだという。物価は高いし、外国人には冷たい土地だが、それでも世話になった人がいて、長く住んでいたからだと。
 その人とは1時間話をして、そのまま別の電車に乗って別れたのだが、とても複雑な気分になった。寄る辺のない、彼にとっては外国も同然の母国で、実際は祖国にも等しい国を思って過ごすのはどんな気持ちなのだろうか。本人は、最初泣いて過ごしたと言っていたが、うそではないと思う。自分だったらどうだろう。かろうじて生きているかもしれないが、前を向いていられるだろうか。
 さいわい、彼は日本と関りのあるプロジェクトに加わっているようなので、絶対に日本にもどる機会も出てくるはずだし、帰る手立ても作れると思うのだ。どんなにつらくても、その日を信じていまをがんばるしかないんだろう……と、第三者が言うのは簡単なんだけどね。

 昼過ぎにアオスタへ。なんだかいまドツボのシーズンらしく、店が時間になったらすぐに閉めちゃう感じ。昼飯をもう少しで食い損なうところだったが、さいわいヴェッキオ・リストロ(!)が開いてたので、予約ないけど入れてもらえないかとお願いしたらセーフだった。
 夜は逆に昼行こうと思ってたところに行くので、軽めにしたが、うええ、いままでのところで一番高い。さすが高級店。てーか、アオスタってヴェネツィアなみに物価が高いことにいま気づきました。
 料理はやっぱり凄くて、美術品みたい。ねんがんのしゃしんをてにいれたぞ。
 その後、そこにもうかなり長い日本人スタッフの方とお話をする。彼も日本人が懐かしいらしく、いろいろ話してくれる。00年代初頭にアオスタを大水害が襲ったのだが、ローマ帝国の城門から中には一切被害がなかったとか。要するに、帝国がきちんと考えてこのアオスタという町を築いたのがよくわかるという話とか。もちろんいろんな世間話も。

 その後、夕方までなにやかやとやって過ごし……ああ、あてにしてたコインランドリーがなくなってた! 衝撃! しょうがないので風呂場で足踏み洗濯&換気扇回しっぱなしで干し物攻撃。朝までには八割方乾いてた。ふー。

 夕飯はパムパムトラットリアへ。地元料理を出してもらったが、さすがにあの重さではセコンドまでは無理で、サラダでお茶を濁した。でも美味しかった。今回はラルド尽くしはなしで、リゾットだけ。前菜は焼いたパイ皮にコテキーノを入れたフォンドゥータソースがけ。なんかこれで1日分のカロリー入ってないかって代物。量はほどほどだけど。

 今晩はたっぷり寝て、明日はトリノにもどり、そこからキゥーザ・ディ・ペシオに向けてクルマ。うう。

10/7 Comoにて

 朝、10時台の電車をめざして宿を出る。電車そのものに問題はなかったが、電源確保のために一等車を選んだら、なんか座席保証なしとかいうイタリア語のメッセージが出る。でもオレは一等車がいいんだよ! と券を買ってから、満員だったらどうしようと思ったが、まあ人が来たら変わればいいじゃんと思いつつ座る。
 最初の席は、向いに人が来たのでほどなく撤退。で、進行方向最後尾に2人掛けだが、対面になってない余ってるような席があり、そこに移ってみた。正解。ここには誰もやって来ず、無事、ミラノに到着する。
 ここで、小腹が空いていたので、ちょいと荷物を預けてドゥオーモ近くまで地下鉄移動。例のサルメメンテリーア・ヴェルディアーナに行くためである(2007年2月末の日記参照)。なんか周囲のお店はずいぶん入れ替ってて、向いにあったはずの古本屋はブルックス・ブラザースとなり、空き店舗も増えていた。もしかしたら空き店舗が古本屋だったかもしれない。ていうか、美術書屋だったかも。まあいいや。
 で、件の店はその場所にあったが、名前がサルメメンテリーア・ディ・パルマに変わっていた(当然、それまでのワインなんかのラベルも一新。値段も一新w)。出てくる物に違いはなかったので、たぶん変わったのは名前だけだと思うが……ああ、全体に値段が上がってたか。でもお客はいっぱいだった。

 それからミラノ中央駅にもどり、チケットを買って荷物を受け取り、電車に乗る。今日の目的地はコモ。
 したらどうも疲れがピークだったようで、眠ってしまい、1駅乗り過ごす。降りて戻りの電車の切符を買おうとするが、どうもコモの圏内って鉄道の会社が違うのか、券売機が違う。要領がまったくわからず、窓口を探す。つぎの電車に結構ギリでなんとか見つけて切符を買おうとしたら、同じ電車に乗ろうとしていた親父に「すぐ済むから」と横入りされ、そりゃーおめーはすぐ済むだろうがな! と、ちょっといらつきながら切符を買おうとしたら目の前で用紙切れ。
 どこでどういうきっかけで心が折れるかわからないもので、正直、思いっきりぶち切れて「そりゃあねーだろう!」と日本語で大声で言ったらなぜかすっきりした。でまあ、結局すっきりしたのでそれ以上文句を言うこともなく、切符も無事買えて、ちょっと走って電車にも間に合う。危なかったが。
 コモのホテルは簡素で清潔、設備は必要十分という感じで、じつにありがたかった。ヴェネツィアの宿は悪くなかったが、やはり共同トイレと共同シャワーはかなり不自由な感じ。あっちが1泊で、こっちが2泊ならよかったのに。いやまあそんなムチャ言ってもしょうがないのではあるが。
 なぜか汗だくだったのですぐに風呂に入り、そのままカメラ片手に、あとポケット辞書と電子辞書、メモ、ペンを片手に出る。目的地は中心部にあるmomiというお店。スカレッタのシェフの紹介で。
 風呂に入ってうだうだしてたせいで、すでに時間はかなり遅く、店はばんばん閉まりはじめている。しかも、途中湖畔を通って、その絶景っぷりに写真撮りまくった。暗いのに。
 でまあ、その後中心街を流すが、案の定全部目の前で閉まっていく。Coinってファッションビルなんて、歩いてたらいきなり電気が消えて「閉店です」だってさ。で、じゃあmomiに行こうかと思ったら、そのビルの上がmomiだったという。Coinが閉まっても、エレベータ直通で行けるらしい。
 ちょっと時間が早かったので、そこは下に降りて、近くのバールで食前酒代わりにかなりアバウトなカクテルをもらい、つまみにはほとんど手をつけず(でもあのポテトチップスうまかったな)、8時過ぎになるのを見計らってmomiへ。
 すると入り口には先客がいて、ものすごい人数。おお、なんか流行ってるっぽい。ちょっと待ってエレベータで5Fへ。広いフロアに、なるほどたしかにリストランテが。デパートの食堂みたいな雰囲気かと思ったが、そこはさすがイタリア、むしろテラスからコモのドゥオーモが見えるので、大変によろしい感じ。
 でもって、出てくる食事もすばらしく、アミューズ、前菜がトリッパ、玉葱、タラ、タコとイカの4皿(量は1皿で小食な人なら十分)、そしてトマトとイソギンチャク(!)のスパゲッティ、最後が牛肉の煮込みポレンタ添え。それから口直しの西洋カボチャとレモンのペーストにヤギのチーズを載せたもの、コントルノのミニサラダ、デザートのチョコレートケーキと続き、いまから考えるとよく腹がもったなあという感じ。これにくわえてグリーンピースのリキュールにグラッパまでいただいてしまう。
 ちなみに写真は全部撮れました。
 満足なんてレベルではなく店を送り出してもらい、徒歩で帰ったらだいたい深夜0時だったという。何時間飯を食ってたんだ。いや、最後ずいぶん間があったんだけど。
 もともと日本で働いていたこともあるらしく、大変な親日家で、とても親切にしてくださいました。ありがとう。いい思い出になりました。
 月曜日、帰る時にもう一度寄るかもと言ったら、「月曜日はボクは休みなんだ。ボクが出るのは水曜~土曜日なんだよ」とおっしゃってたのは残念。まあ、これでおしまいってのがちょうどいいか。もちろん次もこんなのを期待して言ったわけではなく、スカレッタの筒井シェフが「あそこはミラノ風カツレツがうまい」という話をされていたので、それを試したかっただけなんだけど。まあ、ムチャしないでミラノ市内のどっかに行くことで。ノヴァーラでもいいかな。まあ、それはまだ先の話。

 明日はアオスタ。また早朝から電車移動。早めに着いて、いろいろやっておきたいこともあるので。

10/6 ヴェネツィア2

 島内探索の日……の前に、コインランドリーへ。
 宿のおかみさんに聞いて向かう。思ったより距離があったが、あきらめずに前進したら(水路があるので、道を間違ってたかがわかりやすい)見つかってほっとする。
 先客の奥さんが親切にも教えてくれ、空いてる機械に洗濯物を放り込んでスイッチを入れるも起動せず。なにー。しょうがないので別の機械に移すも、後から来た人が強引にスイッチ入れたら動いてた。というわけで、そこに投入した2回分11euro、丸損。経験上、別に珍しいことではないのだけど。
 結局、ベッドメークの始まる10時ちょい前に出て、12時過ぎまでかかる。というわけで、歩き回る前に飯にすることに。
 が、アテにしていたところは月、火休みで、もう一軒評判のいいところに歩いて向かってみる。したら、遠いのもあったが、道がわからなくなる。GPSは持っていたが、今回はコンパスがついてない上に反応が鈍い予備機なので、もう大変なことに。
 それでも、なんとかほどよいタイミングで到着する。まあなんとかなった感じ……だが、いままで安い店で食べてきたツケが、ここで一気に回ってくる。80euro。いや、普通に考えれば高いわけではないとも思うが、他の場所なら高級店の値段だよなあと。
 味は美味しかったです。メインのヴェネツィア風マグロは、新鮮なと書いてあったのでマリネかなにかかと思ったが、玉葱とソテーした料理だった。美味しかった。

 その後、そのすぐそばに水上バスの停留所を発見し、そこからムラーノ島行きの便に乗る。ヴェネツィアン・グラスで有名なところ。たしかに、もうガラス工芸屋さんばっかり。きれいでいいが、数が多すぎて好みの品物を探すのが大変で、ざっと流しただけで帰ってきた。
 で、ムラーノ島から本島に最初に着いた場所で降り(じつは宿にかなり近かった)、GPS頼りに歩いて帰ろうとすると、妙に気になる奥まった店を発見。8時くらいまで部屋でなにやかやとやって過ごし、向かう。
 お昼、まともに食べた(といっても、高いお店だったので量も上品だった。これはかえって助かったのだけど)ので、前菜抜きで。パスタは魚介のスパゲッティ。日本のスパゲッティよりなんとなくもちもちしていてうまい。気のせいかもしれないとも思ったが、つぎの魚のグリルで考えを改める。
 うまい。びっくりするくらい、肉が軟らかでぱさぱさになってない。いやまあ、この店だけではないと思うし、ナポリ周辺なんか探せばこんな店ばかりなのだろうが、今回はナポリではたまたまグリル物は食べなかったし、ヴェネツィアでもグリル物はアンコウだった(アンコウはどうしても焼くとぱさつく感じになる)ので、なんだか思い切り魚を食べた気にさせてもらえた。
 あ、サレルノのそばの高級店で魚のソテー(だと思う。お任せにしちゃったので、名前聞くの忘れました)をいただいたっけ。あれもおいしかったなー。ただ、高級料理だったので、小骨なんかもちろんなくて、それがかえって「単純にお魚を思いっきり食べた」という感覚にならなかったという。まあ贅沢な話ではありますが。
 そのシンプルさがあんまりうれしくて、完全にバラしてすっかり骨だけになるまで食べたのだった。
 その後グラッパまでおごってもらい、宿に帰るが、明日はヴェネツィアから移動なので、宿近くの目抜き通りを流す。なんかバッグ屋さんがものすごく遅くまでやってたのが印象的だった。

10/5 ヴェネツィア!

 やっとやってまいりました。念願のヴェネツィアです。うそです。そこまで楽しみにはしてませんでした(じつは、今回の一見すると脈絡のない動きには理由があって……まあそれは追い追い。たいしたことではないんですが)。
 最初の感想はありきたりだけど物価高っってことと、なんだか巨大なアトラクションっぽい感じがするなあということでしょうか。
 いや、実際にここにあるものはすべて何世紀も歴史を重ねてきているわけで、もちろん後から作ったアトラクションではないんですが。でもまあ、なんだかできすぎというか。ここまで入り組んでて、おもしろげな構造って不自然に思えるというか。という見方をしちゃうのは、ディズ○ーの悪影響か?
 住んでる人たちは、観光客慣れはしているものの、観光客ずれはしていない感じです。全部を見た訳じゃないんで、一概には言えませんが、日本の観光地のいやな部分を想像してたんで(わかってないだけかもしれないけど、まあそれでも)、それは見えないかなあと。

 オステーリャ(Osterja……だったかな?)は1、2軒入ってみましたが、確かにあれはいいかも。お総菜おいといて、好きなタイミングで好きな量を食べて談笑するってスタイルなんですが、味は結構行けるし、値段は相対的に安いしで、自分的にはこのためだけに再訪してもいいかな(でも次の宿はメストレの方がいいかなーとか……ああ、でもいま泊まってるB&Bはかなりいいですが。トイレ風呂共同がきついといえばきついけど)と思ったり思わなかったり。<どっちだ

 で、とりあえず町中をさんざん歩いてから、夜、全然ヴェネツィアの島とは関係のない、本土の方の食堂へ向かったり。
 いやー、余裕のないタイミングで行動するものではありません。かなり遠い場所だったので、タクシーを使うと(使わざるをえない)とんでもない額になるのは明らかで、それをすこしでも圧縮しようと本土へのバスに飛び乗ったはいいが、そのバスはタクシープールのある駅前を経由して市内を巡回するバスで、駅が終点だと思い込んでいた(本土と島のシャトルバス的な)せいで、降りるタイミングを逸し、時間を浪費したあげくとんでもない場所で途方に暮れるという、端から見てたら指さして笑っちゃいそうな状況が生まれ。
 いやまあそれはともかくとして、時間がかなり遅くなっていたので、タクシーで向かっても閉店してるんじゃないかということが頭をよぎり(予約はしたが、名前聞かれなかったし、なんかうやむやになっちゃったので)、閉店時間を確認しようとしたものの、電話で質問してもたぶん会話にならないし、さてどうしようと思った刹那、頭に浮かんだのはつい今朝までお世話になっていたナポリの友人アキさんでした。
 でまあ、電話で聞こうとしたら、まず電話のアプリが暴走するわ(1回切れた)、食堂の電話番号は電話かけつつ参照できないわ、マーフィーの法則がここへきて全開で大炸烈をかましてくれやがりまして(でも、筆記用具とポケット辞書さえ携行していれば、なんてことなかったわけで)、もともと困ってた頭がパニックに。
 それでも、アキさんは食堂に電話してくださって、だいたいのタイミングを聞き出してくれ、かなりきわどいタイミングだけどなんとかなるかもという希望が見えてきて、わめいたり暴れ出したりせずにはすんだのでありました。まあ別に本当に暴れたりするわけもないんですが、ひとまずは落ち着けたと。
 もう、ただ感謝あるのみ。

 ていうか、キャンセルすればいいじゃん。火曜日定休だから今日しかチャンスがないんじゃーとか、そういうことはおいといてさ。>自分

 それからはトラブルもなく、というよりそれまでを考えると不気味なほど順調に事が運び、結局その郊外の食堂へなんとか時間までにたどり着けたりするのでありますが、あんまり面白くないので割愛(というか運転手さんたちの好意には心から感謝)。
 店が呼んでくれた帰りのタクシーが、行きと比べて、いくら呼んだ料金込みとしてもおいおいってのはちょっとおいといて。
 いや、べつにいいんですが。
 料理は海鮮料理が主で、ゆでものの前菜とスカンピのタリオリーニ、でもってアンコウのグリルといただいておなかいっぱい。正直、ヴェネツィア市内でこの内容を食べたら、80euro超えてると思います。
 意外だったのは、予想では家族経営のわりとこじんまりとした店だと思い込んでいて(そういう店ばっかり回ってるから、妙な先入観を持っていたようで)、だから閉店も郊外だし早いかなーと思ったのですが、とんでもない話で、建物もすごく立派。お客さんも近所の人というより、遠くから来ていそうなわりと余裕のありそうな人たち。
 何時になっても人が入ってきて、いつまでやってるんだと思わせるくらい遅くまで営業しておりました。脱力。自分の空回り加減に。
 いやもう、ダメです。自分が。やはり、いろんな意味で(特に精神的に)余裕のない行動は、いい結果にならないことがはっきりとわかりました。こと自分においてはね。
 もっとしっかりせんと。

 ローマ広場へ帰り着いたのは深夜で、徒歩で宿まで帰ることになるかと思いきや、目の前に水上バスが。なんか知らんが乗ってみたら(そこから出た船は、経路的に宿に近い停留所に必ず停まる……と思っていた頃が自分にもありました)、なんと予想とは反対方向へ! あ、そっちへも行くんですかって感じで運を天に任せ、しかしもし途中で本島に止まらなかったら、リド島行きだぞと思いつつ、さっきの経験のせいか、妙に開き直って船に乗ってたりしたのでした。
 したらサンマルコに停まってくれたので、これさいわいと下船、GPS使って無事宿に帰り着きました。いやマジでGPSなしでは何度迷子になったかわからなかったほどで。

 明日は一日観光。時間の許す限りで、どっか他の島に行ってこようと思ってます。

10/4 くいすぎー

 友人宅で、今日は前も行ったことのある肉料理専門店に連れて行ってもらう。
 うまし。ていうか、今回もうこれ以降駅売りのパニーニで過ごさなければならなくなったとしても、しかたないくらいうまかった。あと、量が殺人的。本気で。いやいい意味で。

 詳しいことは後のなにかに譲るとして、ナポリに来た人は一度行ってみるといいよ! 予約取れるかどうかは微妙だけど。LA FATTORIA DEL CAMPIGLIONE ANTICA OSTERIAね。ちなみに中央駅から猛烈に遠いです(10/27:正確に言えば、Pozzuoli駅からほど近い)。
 いやもう、ひさびさに死ぬかと。
 でも、友人の作ってくださった野菜料理と、ズッパ・フォルテのブカティーニをさらに夕飯で食べたけど。これが負けないぐらいうまいんだ。お世辞抜きで。やっぱり、家庭料理が究極だよなあと思ったしだい。

 いやしかし、拠点の移動がないと書くことがそんなないね。いいことなんだと思います。

 あとナポリのワインをなめるな。以上。

 仕事がひとまず片付いたので、あとは取材のみ。適当に楽しむ予定。あと明日の昼飯は抜きの方向で。
 明日はヴェネツィア。

10/3 強行軍の終わり

 朝早くカステルメッツァーノを出る。6:50のバス。値段2euroちょっと。タクシーは面白い経験だったからいいのだけど、なんか値段の差に愕然とする。タクシーが高いと言うより、バスが安すぎ。
 運転手さんに駅まで行きたい旨を告げ、ぼんやりと揺られること1時間強。着いたよと降ろされた場所はしらないところで、中央駅からはかなり離れているらしい。やばい、これではサレルノ行きのバスに乗り遅れてしまうと思って時間を調べると、中央駅まで5分らしい。なんじゃそりゃ。
 というわけで、ものすごい余裕で到着。30分ほど時間を潰す。
 国鉄のバスって初めて乗ったが、けっこう快適。いやしかし、出発直前にいきなり車体変えるのやめて。降りて荷物移し替えて……まあ今回はまだ軽いからよかったけど。
 あとはそのまま乗っているだけで1時間半ほどでサレルノに到着。ローカル線より全然早い。ぬう。
 その後、サレルノで追加の衣類とか買って(upimないかなーと思って歩いてたら思いっきり駅のそばにあったという)、お昼の目的地であるカヴァ・デイ・ティレーニという町へ。なんか寂れた場所だろうと思ってたら、とんでもないものすごく人がいる観光地で、小さいわりにお店が多い。ここで、新しくSIMを調達。いや、100時間アクセスできるSIMだったのだけど、持ってるスマートフォン(笑)がばりばりアクセスしてるらしく、ほとんど電源入れてる間の時間減ってってるので。
 したら、こっちの電話を見た店員さんが気を利かせて、「その機種はプロモーションがあるからそっちにしたよ」と言ってくれる。どうやら、時間じゃなくて転送量で縛りのあるプランにしてくれたらしい。やれありがたや。これで安心して動かしておけるよ。
 で、中間目標のPappacarboneへ。なんかおしゃれなレストラン。うわー、なんか野暮ったい田舎者には場違いな雰囲気。一応ジャケット着て、ちゃんとしたスラックスで行ったのだが、着慣れていないので浮くこと浮くこと。
 でまあ、日本人の料理の方がいらしてくれて、言葉の問題は解決気味。もっとも、最後の方は忙しくて出てこられなかったようだが。料理は満足。お魚だけだったが、とても創作的で美味しかった。でも基本はイタリア料理なのは守ってる。
 もともと、シェフはフランス料理で将来を嘱望されていた人らしいので、そういうエスプリが入ってるんだろうと思われる。

 その後、ゆっくりと過ごしてから、午後の電車でナポリ近郊の町へ。この間遊びに来てくださった方のお家へ。
 なにやかにやと歓待していただいて恐縮する。仕事までさせてもらって、もうなんとお礼を言ったらいいやら。

10/2 正気を疑う

 自分の。
 まず、朝早めに島を出る。もっと島中を見て回りたかったが、まあよし。
 なんか時間がぎりぎりだったのだが、フェリーには間に合う。タクシーの運ちゃんに感謝。
 で、そこからナポリまでは順調だったが、そこからがいけなかった。ウェブの情報を信用して飛び乗った路面電車は、なんか駅前通り過ぎてとんでもない方向に!(伏線回収) まあ結局、駅前へ向かう路線は山ほどあるので、途中で乗り換えて事なきを得たのだが。
 そこから電車に乗り、ポテンツァという町へ。で、到着時間を調べると、すでに今日の目的地、カステルメッツァーノへ向かうバスはない時間だったりする。しかも雨。それも緩くない雨。
 3分ほど考えて、素直にタクシーに乗る。40キロくらいあるらしいのだが、なんとか60euroで手を打ってもらった。
 なんせ山間部の村なので、雨がどんどん激しくなっていく。高速道路水がたまってるし。でもまあ、そんなにかからず到着。これなら自分の運転でもなんとかなりそう。再訪しようと思った時のために。いや、ここ、村からちょっと離れたところで、ワイヤー張って寝そべって飛べるというなかなかイカスアトラクションがあるもんで。これはぜひ挑戦したいなと。
 いやしかし、雨の夕方で暗くなっちゃってアレだったが、絶景も絶景。明日撮ればいいやと写真撮らなかったのが猛烈に悔やまれる。ま、ここの写真も映像もいっぱいウェブとかに載ってるし、テレビでも取り上げられたのでいいのだけど。
 写真で見てもあの雰囲気はわからないだろうしなあ。

 そんなこんなで、運転手さんには色をつけて料金を支払い、ホテルへ。ここの食堂も目的の一つなのだった。
 ホテルの対応は若いお兄さんがやってたのだけど、とても親切。料金も安い。部屋もきれいで、LAN端子まで出てる。至れり尽くせり。シングルだと55euroだから、設備を考えるとかなり安いんではないかと思う。まあ場所が場所なんだけどね。
 で、夕飯。なんかお腹減らして気分よく、と、仕事しつつ粘ってたら、女将さんらしい声でちょっとこわい電話。あわてて出る。したらお客さん、もう1組だけでやんの。そりゃー早く来いって言いたくもなるわなと思いつつ、なんか親父さんが勧めてくれる料理を。
 全体的に満足だったが、最後の牛肉の煮込みはなんかいまいちだった。もったいなかったかもなあ。
 で、案の定、ワイン一本あけちゃったので、そのまま寝てしまう。明日の予定を鑑みて、早朝に出なければならないから、目覚ましかけて。
 誰だ、こんなバカな予定組んだの!<オレだ

 正直、もう2、3日滞在したかったです。牛煮込みのリターンマッチも含めてね。あと、近くに別の食堂もあったし。