10/9 ぶーぶー発進!

 今日は、キウーザ・ディ・ペシオという町にある(正確にはかなり離れていたが)、ラ・ロカンダ・アルピーナ(≒アルプスの宿?)へと向かうべく、クルマを調達する日。
 ゆっくりめに起きて、体力を温存してからトリノへ向かい、そこでレンタカーを借りるという段取り。(伏線)バウチャーもメールで入手しているし、準備万端。iPhoneでちゃんとすぐ呼び出せるようにしておく。
 お昼過ぎになって、お土産買っててちょっと手間取ったが、なんとか電車に飛び乗る。そこからはぼんやりと音聞きながら電車に揺られて午後3時前にトリノへ。で、レンタカーオフィスが見つからないので、ぐーるぐる回ったあげく、インフォメーションに聞いたら、そこ、と指を差される。あった。なんかプレハブにおさまったレンタカー屋が、本当にすぐ後ろに。
 で、バウチャーを見せると、ノ、と首を横に振られる。よくわからないが、プリントアウトしてないと受け付けられないよとのこと。なんじゃそりゃー! 完全オンラインのくせに、旅行者の事情を全然考えてないそのシステムは!!(/伏線)
 押し問答をしたが、そういうものだからしょうがない。キャンセルするならクレジットカードを提示して、しかるべき処理を待てとかなんとかまで言われ、いろいろ考えをめぐらせる。
 受付のおねーさんは「ここにFAXしてくれてもいいよ」と言ってくれるが、FAXどこから送ればいいんじゃ。だいたい、プリントアウトしなきゃ、FAXは使えないだろうが! と思うが、言葉にはできない。
 で、困った時のナポリ方面でアドバイスをいただいた結果、ネットカフェで打ち出してもらうという画期的な(いや、自分が単に知らなかっただけです)策を授けていただき、受付のおねーさんに場所を聞いて出ようとしたら、突然の豪雨。
 もう笑うしかない。
 が、そこで雷鳴とともに突然閃いた。VPN経由で、こっちのパソコンに保存してあるバウチャーを、自宅から国際電話でFAXできないかと。ものすごく回りくどいが、手許にあるもので実現できるのはこの方法しかないと判断(カミさんにメールでバウチャーを送り、それをプリントアウトしてもらうという手もあったが、時間がかかると思われ。そうでなくても、ナノで手一杯だろうし)、やってみた。
 ま、まさか成功するとは! 仕事ほかして、FAXのシステム再構築と、VPN構築しただけの甲斐があったよ。
 というわけで、猛烈にクリアなバウチャー(なにも設定しないとファインモードで送っちゃうからね……ああ、電話代がw)が事務所に届き、問題は無事解決したのだった。

 その後、猛烈に降り続く雨の中、レンタカーに乗り、なんかひさびさのMTにビビりながらおそるおそるトリノの町中へ。高速に乗ってしまえば、あとは道なりでいいはずなのでそんなに恐くないはず。
 なんとか、ジェノヴァ、ピアチェンツァ、クネオの表示のある高速に乗り、ずっと行く。途中、アルバ方面への分岐があったが、気にせず通過……したのがまずかった。
 途中でいやな予感がしてクルマをSOSゾーンに停め、GoogleMapを見てみれば、案の定大きく道を外れてる。で、再度道を検索した結果、ちょっと先でUターンできることが判明。たすかったーとクルマを進めると、その出口っぽいゲートが。クルマを右に寄せ、なんかカード払いの方がいいかなーと思って、ちょっと左側のゲートを使ったのが間違いだった。そこは、単なる発券ゲートで、ちょうどそこと出口がパイロンで分かれていたりする場所だったりするんだな、これが。
 さらに泣きながらクルマはアスティ方面へ。なんか表示に「アスティの出口は、dalle10時閉鎖です」と出ている。dalleってなんだっけ。「から」だっけ、「まで」だっけ。いや、たしかからのはず! までだったらシャレにならん。交通的にも。
 で、延々走ってアスティの出口へ。セーフ。出られますた。で、指示に従って逆路線へ。あとは順調。さっきのゲートでふたたび券を取り、それから途中、1.3euroを徴収するゲートがあったので、今回は面倒くさいからカードにしようと思ってカード入れたら、これが通らない!! 何度やってもダメ。下がって別ゲートにしようとしても(まあ、たぶん交通法規違反だろうし)、すでに後ろには長蛇の列。そして機械からは機嫌の悪そうな声で理解できない(どうしたの? カード通らないの? 的な内容か)言葉が。もう、切羽詰まって、「ノ・カピスコ! スクージィ」と叫ぶと、なぜか領収書が出てきたとさ。すいません、本当に。いや、それ未払いの券だと思って、出口で出したら返されて、よく見てみれば「証明書」の文言が書いてある。「支払い」ってのもあったので、領収書で間違いないもよう。
 というわけで、もう高速ではいつもニコニコ現金払いに決めました。
 そこからは、トリノの雨に追いつかれたり、いろいろあったけども、なんとか高速を目的の場所で下りることには成功。
 で、一般道を走るのだけど、気がつくと道がそれている。そりゃそうだ、いちいち確認なんかできんもん。道案内の標識も少ないし。で、あっちいってこっちいってともう何回も道を間違えつつ、最後の最後で曲がる場所を当てて、なんとか一本道に入る。さらに、目的地の直前で曲がる場所も当てて、さあ着いたぞと思ったのもつかの間。

 ない。
 どこにも、ない。
 だいたい看板もなにもない!

 信用してたのに、Google!
 しょうがないので、目的地の近くで人をつかまえては「ロカンダ・アルピーナどこでしょう?」を繰り返すが、無視されたり、知らない人ばっか。いやしかし、電話して場所を聞こうにも、まず現在地を伝えられないので、どうしようもない。<じゃあ、クルマに乗んな!
 だが、窮すれば通ず(<いや、それは違うと思うぞ)とはよく言ったもんで、別の人にこうたずねた。「ここ、サン・バルトロメオ?」 アルピーナのある地名ね。したら「それ、ここじゃないよ。あと3キロくらい先」と来たもんだ。
 お礼と自分の馬鹿さ加減に声を上げつつ、クルマをさらに走らせる。ここかなー、ここかなーと走っていたら、なんかいきなり道沿いに、でかでかと壁に看板かかった建物があってさ。そこでした。クルマ停めるのも、なんか建物の横にクルマ良い具合に隙間あけて並んでてさ。全然問題なくて。

 というわけで、ここまで苦労すると、その宿もアレな感じがするものですが、打って変わって別天地。まず、とても気持ちのいい対応で、なんか言葉通じないけど、言いたいことわかってくれるし、受付の間、どんどん食堂にお客さん入ってくるし、ひなびた閑静な場所だけど、静かな中に活気のある宿でありました。
 食事も、なるほど、オフシーズンに近いはずなのに(たぶん、ここも夏と冬がオンシーズンでしょう。シーズン別の料金分けはなかったけど)、かなりお客さんが入っていたのは、近所の人たちにそれだけ愛されている証拠で、実際驚くほどうまかったです。前菜3皿ももらって、1皿目はタヤリン、2皿目はウサギで、ちょっと足りないと調子にのってチーズもらったら死にそうになりました。デザートはモンテビアンコ。
 ああそうそう、いくら品種が安ワインのそれだといっても、ガヤのがフルで20euroって値付けはちょっと凄すぎ。高くても40euroのはなかったと思います。
 あんまり美味しくて、他のも試したくなったので、お昼もここで。というわけで、明日は午後出発。さすがにワインは控えます。

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