月別アーカイブ: 5月 2021

5/11 寒い

 チキンライスおにぎり2個。麻婆茄子。キムチ。チャーシューと塩豚(ゆで)の盛り合わせ。プチトマト。

 一転して寒いと言っていい日。昨日までが結構な暑さでねえ。
 予定では11時くらいに起きられればと思っていたのだが、電話で9時に叩き起こされる。ぐああああ。
 やむなく二度寝。空腹に耐えきれず、牛乳など飲む。
 起きたのは午後の1時だった。目覚ましかけたので。寝不足ではあるが、二度寝で2時間半ほど稼いだのでよしとする。
 計測、そしてトマトからめんたまやきチャーシューまぜごはん。
 特にやることもなく(いやあるが)、ぼんやりと。昨日のコーヒーなど飲みつつ。気合いが溜まるのを待つ感じ。
 ナノが帰ったので、明日の用事のために買い物に出る。ついでに夕飯のミッションも。
 戻ってナノが塾に出るのを見送りつつ洗濯物を畳む。それから野球など見る。

 二度目の食事は低熱量パンにハムとチーズ挟んだのとスコーン、そして牛乳。
 夕飯は恒温鍋の鶏もも肉スープ。レタスとブロッコリースプラウトとプチトマトのサラダ。ごはん。
 あー。なかなかうまくないなー。

5/10 うがあ

 かす入りオムそばめし。ピーマン肉詰め。

 今日の打ち合わせの時に見せられるよう必死で原稿を頑張ってまいりましたが、あえなく撃沈しました。
 そうです間に合わなかったのです。頭が動かないし。
 とはいえ、ミリ単位での前進は続いています。進めー。

 起きて台所に向かい、計測が先とオレの裡なる声の叫びとともに計測の場所へ。ナッツ食いすぎかもしれない。
 そして飯。時間がないのでトマトからカレーの残り。そして圧の計測を忘れていたことを思い出し、おっつけで計測。まずまず。
 洗濯物をしかけてから打ち合わせがもうすぐなので準備。開始。終了。
 干し物などして、ちょっとくつろいでから皮膚科へ。薬が切れていたのでやむなく。他の薬はたくさんあるのに。

 帰り道本など買って、二度目のご飯をどうするか考えた結果、ペイのポイントが千円近く貯まってたので黄色い牛丼屋で牛定飯小。
 そして帰りに格安スーパーに寄り、ナッツなどを仕入れて戻る。
 眠い。疲れている。
 無駄と知りつつ太極拳の予約とか。

 夕飯はティンバロ。今日は大きめのボウルで作ってみたぞ。ナスの量がキノコに対して多かったので、こないだほどのいい感じにはならなかったものの、十分いい感じではあった。善哉善哉。

 眠いので寝る。と思ったら深夜にちょっとやること発生。

5/9 はははのひ

 あーだめだー、なんかこうだめだ。進んだり戻ったり。どうすりゃいいのかなー。
 ただまあ、強引にではあるけれど前には進んでいる。ミリ単位で。

 昼ごろ起きて計測からトマト食い。今日はナノのリクエストで近所のファミレス系カフェへ。おしゃれに。
 タコライスをいただく。もちろん飯は減量。量を聞いてみたら、たぶん昔ならえー、たったそんだけーって言ってたような量なんだけど、いまとなってはそれでも多いっていう。なんてこった。

 戻って仕事。進まず。野球をうんざりしながら(終盤)みてて、あんまりなので買い物に。カミさん用のお花とかも買おうという腹づもりだったが、予約していなかったので出来合いのしか買えなかった。というかそれだけでも買えただけありがたかったわけだが。
 あと、夕飯用にちょっと追加の材料を。
 で、帰ろうとしたらナノからメッセージで三毛の初七日に行ってくるとのこと。あー、忘れてた(すまない)。買い忘れなどあってまだ時間がかかりそうなので先に行ってもらう。

 戻って、ぼんやり野球などみて、カミさんたちが帰ってきたのと入れ替わりに向かう。行くよー。昔、病院に預けて旅行に行った時、迎えに行ったらこっちの顔見てにゃって鳴いたんだ。そのことを思い出すと、行かないわけにはいかないもの。
 で、お線香あげて戻る。
 なんか三毛がご機嫌を直してくれたのか、行きの途中で四番のホームランの通知が。でもって帰って負けのシーンでもじっくり見るかーと思ってたら四番が逆転サヨナラホームラン。まあかわりに主将が指の骨折りよったけどな。
 そしてたぶん全部偶然。

 帰ってからお花を渡して、用意していた贈り物を渡す。メッセージカードはナノ。こっちはキーホルダーとタグのホルダーのセット。なくせないものをまとめてキーホルダーに集めてつけてみた。

 夕飯はルチア風フェデリーニ。スパゲッティは時間かかるので。そしてピーマンの肉詰め。肉詰めは基本ハンバーグと同じレシピで、がっつり高野豆腐の粉末を入れてみた。入れる前はどろどろに近かったのに、高野豆腐入ったらかっちりしました。いい感じ。

 後片付け、弁当を作り、すぐに風呂に入って仕事。そして冒頭の状態を繰り返す。あーメビウースーのs(版権

5/8 しごとしごと

 集中集中。

 起きて計測からトマト。今日は買い物があるので出先で食べるらしい。
 で、買い物して、さて飯はとなったが、なんだかんだあって外食しないことになり戻る。ひとりでチャーハン。
 その後、コーヒーいれて仕事。集中できないが集中する。夜まで。
 なんとか騙し騙し続ける。あー。ダメな感じはしないのだが、こう手が動かない。それでも進めているが。

 2度目の飯は低熱量蒸しパンとスコーン、牛乳。
 夕飯はお好み。かすを買ったので、かす入りと洒落込んでみる。カミさん謹製。かすの香りがするものの、大変美味しい。もっとも、やはりかすはうどんかなーということになる。お好みに入れるのもたまには悪くないのだが。

 今日は後片付けもお願いして仕事に戻る。苦闘は続く。

5/7 しごとのひ

 鶏胸肉とエリンギのオムレツ、ブロッコリーのグリーンサラダ、ステーキ丼。

 とにかくいい加減ケリつけなきゃならんので、今日は一日仕事の覚悟で臨む。
 起きて荷物受け取って、寝られなかったので起きて計測、トマト、めんたまやきチャーシューまぜごはん。そしてヤクルト。
 仕事。進まない。頭は動かず、変なことに注意を奪われる。

 夕方になって2度目の食事。トマト、ステーキ&チャーシュー丼キノコいり。キノコパリパリにソテーして、ステーキとチャーシューの残りをそれに加え、醤油とラカントで甘じょっぱくした感じのをごはんにのっけていただく。ああ、めんたまやきものせたな。
 こういうことをしているから結局なんにも進まなかった。ひどい。直しのフェイズなのに。

 雨が降ってきたので、ナノを塾に送る。戻って仕事。進まず。
 夕飯は残り物を活用する方向で、カレーに決定。ちょっと前に作った鶏もも肉のスープ風煮込みの残りを出汁としてそのまま使う。
 大変美味になった。出汁大事。

 珍しく早く夕飯が終わり、弁当もないので早仕舞い。仕事を続行する。進まない。なんだこりゃ。
 ちょっと身体動かしてくるかというわけで、公園で太極拳。怪しい人以外の何者でもない。まあまあ。指先で踏ん張れるようになったら、ずいぶん楽になった。

5/6 猫ちゃんいないねー

 カミさんによれば、外を通りかかった保育園のお子たちがそんなことを言ってたのだそうだ。
 で、カミさんが「みんなのおかげで長生きできました。今度は黒いのもよろしくね」という張り紙を出していた。正確じゃないかもしれないけどそんな感じ。
 なんて素敵なんだろう。家族の自慢をするようだが、自慢なのでしかたない。
 保育園に通う子供が、小さめに書かれたその文字を読めるとは思えないけれども、当然つきそいの先生がいるので読んで教えてくれるに違いない。かなり近づかないと読めない可能性はあるが。

 それにしても黒いの2匹の目立たなさよ。

 起きて計測、トマト。そして投薬。カミさんは在宅勤務なので昼飯を一緒に。今日は離れたところの黄色い牛丼屋。牛丼と牛定という、わざわざリスク冒して食べに行くほどのものかと言われそうだが、まあやっぱり一歩も出ないのもなんであって。そんな混んでなかったし、大声で話す人間もいなかったし、無問題だったのではなかろうかと思うが。

 戻ってしばらくうだうだしてから、ちょっと通販の返品とか買い物とかで歩きに出る。3日ぶりくらいか。いかんなー。
 最寄りの宅配の集配所に向かったが、なんと返品用のメールがまだ未達だったという。1通はきてたんだけど、それは返品用の番号が入ってなかったのね。整理番号はあったが。
 で、その場で困ってサポートに電話して、ぱぱっとつながって、その未達のメールを再送信してもらってことなきを得た。
 待ってる間にメールが届いて、あとは全部うまくいった。
 で、そこから買い物する駅前まで地図出して、ガイドさせて(って宅配にくるまでもそうだったが)、ウォーキングの計測するのを忘れて、駅前近くなってから「ウォーキング中じゃない?」って指摘されて、時計が判定した場所からウォーキングした扱いになって無事カロリー乞食は歩いた距離と消費したカロリーを無駄にせずに済んだという。
 ああ、なんか未来に生きてるなあなんて。
 そして夕飯の材料とか買う。お魚。お刺身丼ではなく、今日は焼くの。洋風に。ただしナノは骨入りが嫌いなので、わざわざサーモンの柵買って(安いのだよ?)それ焼いたんだけど。あとメカジキとか。メカジキ半額だったぜいえー。
 こっちは焼き魚用のサーモン(シャケと書きかけるが、シャケは別物扱いなのよな)とさわらを。なんと両方とも骨なし。そういうこともあるのか。
 他にも明日以降使えるものを買ってくる。これで最低3日はいけるはず。

 2度目の飯は低熱量パンにハムとチーズはさんで焼いたの。あと牛乳。夕飯は予定通りお魚で。あとレタスとプチトマト、サラダバジルのサラダ。

 庭の柚子にはアゲハ蝶がかならず卵を生みつけていって、今年も羽化したのがとまっていた。黒いの。下羽根に色がついてるので、クロアゲハではないようだが。
 柚子の葉っぱが食べられてしまうが、別に木そのものには影響がほとんどないので構わない。
 買い物から帰って、まだいるかなと思ったがさすがにもういなかった。

5/5 ぼくすっしー

 お昼から回転寿司。猛烈に混んでる。それでもみんな怖いんだろう、待合は家族単位でディスタンス。ダメだと思った人たちは外にいたり。雨だけど。
 そそくさと食べて戻ってくる。

 起きて計測、トマト。寿司は昨日から決まっていたので。投薬を忘れたので、寿司屋でぱぱっと。ゴミは持ち帰った。
 戻ってコーヒーなどいれる。仕事の完了を急ぐが、野球など見ている。ラジオも。雨と風が強い。帰ってくるときは風がなかったのだけど。

 夕方になって、夕飯の仕込みを始める。今日は鶏胸肉のロースト。30分チキンと違って失敗がないし調理中ほぼなんもせんでOKだが、下準備にちょっと時間がかかる。
 野菜がなんもないので、白菜炒めにきのこのソテーぢりを風を混ぜ込んだの。うーん、なんかいまいち。やはりこれはレタスに合うなあ。でもって白菜は白菜で、アンチョビとかと合わせるべきだった。きのこは普通でいい感じで。

 明日カミさんは在宅ワークなのでお弁当はなし。

5/4 非常食を食べる

 三毛の部屋の掃除は続いている。そんなこんなで部屋に備蓄してあった災害用非常食の缶詰を食べることになった。賞味期限切れてるし。いや缶詰に賞味期限もなにもないんだが(缶詰作ってる人が「賞味期限つけないと買ってくれない」って言ってた)それはまあともかく。

 起きて計測してから飯。缶詰は豚の角煮、鯖味噌煮、ぶり大根だったかな。量はごく少ないのでハムエッグをつけた。あとごはん。解凍もの。自分だけの時は基本解凍なのだが、家族がいるときは本当は炊きたいんだよね。量が確保しやすいから。美味しいとかそういうのは二の次で。解凍にすると量を捌くのが難しくて。ああ、あと自分だけトマト。
 食後、部屋にこもって仕事。ちょっと真面目。展開的には最後の方だが、量的にはまだ半分過ぎたところ。なんだと!
 昼間の頭の冴えてるときは文章出てくるなあ。じゃあ昼間に仕事すればいいじゃん。

 2度目の食事は低熱量のスコーン。のみ。あと牛乳。
 夕飯はステーキ。昨日買ってあったの。鍋が新品に近いテフロンだと大変よい。そして中央が生(熱は入ってる)だが、こいつは臭くない。なぜなら買った場所が違うから。いつものところのは安いけど(でも昨日のところもあんまり変わらん)、よく焼かないといまひとつなんだよなあ。
 野菜は豆もやしとぶなしめじを茹でて、チャーシュー入れて酢醤油と胡麻油で和えたの。チャーシュー入れて計算してもあの量で150円しないのは素敵。

5/3 黒いの2匹は目立たない

 三毛は通りに面した大窓のところにいて、通りがかりのお子さんたちなんかに大人気だったらしい。
 そのニッチを埋めるべく、猫娘と黒いのが進出を図っているのだが(どうやらようやく入ってもいいのだと理解したようだ)、彼らの容姿から考えてそこにいることに気づいてもらえない可能性がわりと高めの模様。
 三毛が健在な頃は2階の窓からあたりを睥睨していた猫娘であるが、その存在に気づいた人間は皆無であって、それはおそらくごく至近距離にある下からでも一緒と思われる。だってそこにいるって知ってるこっちですら一瞬気づかないくらいだから。
 まあそれでも、そのうち気づいてもらえるかもしれない。がんばれ。

 起きて計測、トマト、そしてめんたまやきチャーシューまぜごはん。
 コーヒーなどいれて昼間の野球中継などをぼんやり。眠い。
 夕方ちょい前、2度目の食事でマクドに買い出しに。途中で獣医さんに寄り、三毛の顛末の話と残った薬や注射針やリンゲル液なんかを持ってきていいかと確認をとる。OKだったので、そのままマクドに向かい、帰ってブツを並べてさあ食えとやってから荷物を抱えて出る。ほとんど使ってないペットシートが重くてかさばったが、点滴のパックもそれなりに重かった。
 というわけで、わずか1日半で三毛の使っていたものはきれいになくなった。昨日の夜のうちにカミさんが三毛の部屋のゴミを全部集めてくれていたし、掃除もやってあったので、もう本当に残ってない。カミさんが作った写真だけが、その部屋での三毛の存在した証となった。

 それから、カミさんが思い立って本棚などを見てきたいとのたまうのでそのように。運転手として随伴。
 希望通りのものは見つかったが、いかんせん入荷が1週間半ほど後とわかる。仕方なく予約して配送をお願いしてくる。
 帰り道、補修用テープが必要だったので、カーボンでおっそろしく強力な補強テープを買ってきた。だがしかし、真空パッケージが2個入っていることに大変嫌な予感がして、箱の能書きを読んでみたらああた、空気に触れた瞬間から硬化開始なので開けたパックは全部使い切れよ! とかいう頼もしいお言葉。ああなんてこった。補修用テープとしては結構なお値段だったのに。

 戻って、キーリングが届いていたのでタグをはめてクルマのキーに取りつけた。これで紛失の心配はないかなー。もっとも、予備のキーがもう1個あるし、いままでなくすようなことはなかったのだけど。
 このタグ、情報を他の人間と共有できないのが困る。家族で共用しているものの捜索は全員でできる方がいいのだが。そういう用途は思いつかなかったのだろうか。

 夕飯は鶏の唐揚げ。今日はことのほかよくできたが、ちょっぴり焦げ臭かったことは告白しておかねばなるまい。ちょっと揚げすぎた。とはいえ、衣の厚みもごく薄く、パリッとした揚げあがりに仕上がったのは大きな前進であろう。
 あとレタスとニンジン、プチトマトのサラダ。

5/2 にじゅうねんほどいきたねこ

 百万回には遠く及ばないものの。

 昨日の夜から、ほとんどリアクションしなくなりました。呼吸は浅めでちょっと早め。でもこれは危ないってほどでもない。
 いや反応がない時点で残りの時間はそんなにないことはわかってるんだけれども。
 カミさんは徹夜するつもりだったようだけれども、そりゃあ起きてられるはずもなく。宵っ張りの自分が、できるだけ起きてて何かあったらってのが既定路線だろうとおもってたので、そのようにしました。
 まあそれでも、近くにはいないでモニター越しに。仕事したかったから。冷たいと思われるのは仕方ない。
 途中何度か見に行って、呼吸しているのは確認したけれども、もういつもの顔はしていませんでした。呆けたような、呼吸をするだけで精一杯。すべての余力をはぎとられた顔。
 何度か部屋に足を運び、朝になっていたのでそのままカミさんが起きるまでとおもってそばにいることに。
 呼吸はだんだん浅くなっていくように見える。でもまあ、止まる雰囲気もないし。

 腎臓が機能を失っていると診断されてほぼ6年半。毎日皮下点滴というのをやって、毎日機械を使って少量ずつ数時間ごとに給餌するやり方でずっと付き合ってきたのだけれど、この点滴と給餌のセットアップがすっかり夕方の日課になってて、それがずっと続くとおもっていて。本当に、もうずっと続くものだと思い込んでました。
 だから、突然ご飯を食べなくなって、突然身体が動かなくなって、寝たきりになって、リアクションも乏しくなって、とうとう口の動きと尻尾だけで反応するようになってからは点滴もやめて。それでも水なしで寝たきりはつらいだろうから、少しずつ、ほんの数滴スプーンで口に垂らして、それで喉を動かして飲んでいるので安心したりしてきたこの3日間でした。

 でもそれももうおしまい。

 明るくなって、散歩する人たちが通りを歩いていくのが見える時間になり、強い風が庭の植木を揺さぶっているなか、突然の発作。
 あんなに体が動かなかったのに、這ってでもトイレで用を足そうとしていたのに、最後は我慢していたものを全部吐き出すようにしていってしまいました。

 カンが強くて、気に入らないと唸られました。クルマに乗せたら、それだけでもう死んじゃうんじゃないかって思わせるほど鳴きわめきました。黒いのがきたら、完全に敵認定でストレス溜まって大変でした。腹の毛が一時期なかったことがあるくらい。
 それがみるみる痩せ始め、うずくまったまま動かなくなって、お医者さんに連れていったら腎臓が壊れたと宣告されました。まあありがちな病ではあるのですが。
 お医者さんに、少しでも楽に生きさせたいなら皮下点滴しかないと言われ、その通りにしました。最初は大変でした。他人の体に針入れるんですよ? 抵抗ないって言ったらウソですよ。そして最後まで慣れることはありませんでした。
 最後の方は皮膚に余裕がなくなって、引っ張って皮を張って打ち込んだつもりでも、実は張っているのは指の幅より狭いくらいのところで、そこからちょっとでもズレると刺さったように思えて刺さってないので、点滴流し始めたらドバーってなったり。
 思えばそれが終わりの始まりだったのでしょう。
 でも、本人はその間こっちが抱っこして注意をそらすためになでつづけるので、それが楽しみだったらしくて自分から点滴を受けに来ることもありました。もっとなでて欲しかったんだと思います。
 黒いのと一緒にすると血を見る勢いだったということもあって、使ってない部屋ひとつに入れていて、外を見るのが大好きだから通りに面した窓でじっとしてたんですが、本当はきっとぼくらをひとりじめにしたかったんでしょう。ごめんね。ごめんなさい。

 最後はカミさんも一緒でした。ともかく看取って、もう呼吸をしていないことを確かめて、しばらくぼんやりしてから寝て、昼に起きて、3時から火葬してもらえるという話がついていて。
 最後の日々をすごした寝床がわりの越南の籠に、タオルにくるまって横たえられてる姿はまるでまだ生きているかのようでした。むしろ、無理をして息をし続ける必要がなくなったおかげで、顔からは緊張が消えて、半眼のままの目でじっと前を見ているようにしか思えませんでした。カミさんが買ってきてくれたお花が飾ってありました。お花は種類によってはよくないのだけれど、もう気を使う必要もないし。
 黒いのと猫娘は、そういえば最後のときにとても興奮していたように思います。たぶんわかっていたんでしょう。彼らはそういうところがあるので。そして、いまも近寄ろうとしていませんでした。こわがっているというよりは、敬意を払っているという方が正しい気がします。

 いつも通りやってからお昼ご飯にチャーハンを作り、3時に向けて準備をしました。といっても、臭いのこもった部屋の掃除とかカーテンの洗濯とか、全部カミさんとナノがやってくれたのですが。自分はただ飯を作って食べて、クルマを運転してみんなを運んだことくらい。
 前に犬の葬儀もお願いしたところだったので、段取りもよく、きちんと火葬を済ませることができました。納骨は夕方にはできるとのことで、時間をおいてすぐに戻ってくることになりました。
 そして、戻ってきたペット用の葬儀場の祭壇に置かれていた骨壷のなかには、真っ白で形の整った小さな骨が入っていました。とてもきれいに感じました。
 それを共同のお墓におさめて、手を合わせて。
 このこのために手に入れようと決意した家で、一緒に住み始めたあの日から20年がすぎていました。
 いろんなことがありました。ここに書き切れないくらいたくさんのことが。もちろん彼女と自分は別の存在で、彼女はいなくなってしまったけど、自分の人生はもうちょっと続くので、これでおしまいってわけにはいかないのですが。
 いかないのですけれども。なるほど、胸に穴が空いたというのはこういうことを言うのだなあ。

 夕飯はお刺身丼でした。鶏の唐揚げの腹づもりはあったんだけど、眠くて、気力がなくて。火傷しちゃうかなあっておもって。
 開け放たれた部屋の中にはもう誰もいなくて、別に彼女がいたとき特別にうるさかったわけじゃないのに、ひどく家の中が静かに感じます。黒いのたちは、またあの部屋を使ってくれるかなあ。

 知ったようなことを言うつもりはないんですが、彼女の生には、少なくとも彼女自身が20年この世に存在して、自分を自覚して、感じて、苦しんで、少なかったかもしれないけど楽しんだっていう点できっと意味があったんだと思います。自分たちもそうであるように。