11/15 エレベスト

 起きたら昼だった。ナノはカミさんと一緒にペンギンズ観に行くの知ってた(つーか、やってるよと教えたのオレ)ので、誰もいないのは織り込み済み。
 台所にサンドイッチがあったので食べ、ちょっと考えて、昨日から考えてあった通り『エベレスト IMAX3D』版を観に行くことに。その時間帯にやってたブラタモリが意外にこう惹きつけられる内容だったので、ぎりぎりまで粘ったものの、まあ余裕で間に合った。

 内容についてはネタバレもなにも1996年の大規模遭難をそのまま映画にしたものなのでそんな感じで。
 この映画は、その状況を映像的にひたすら再現するって代物で、確かに再現されていた。うんざりするほどに。そこには淡々となるようにしかならない過去の記録しかなかった。それだけに、なんか強烈だったのね。余分な演出なしで描かれる人の生と死は、見ている人間の心にまっすぐに響く。
 余分な演出なしは言い過ぎかな。ともかく。
 ああいう場所に行くと人間はほとんど身を守るものもなく、自然と対峙しなければならない。空気が薄いせいでヘリコプターは飛べず、あんな地形を安全に進める車両の類は皆無。つまり、基地を作ろうにも人間が自分の手で運ばなきゃならない。気温は楽勝で氷点下。周りを見れば氷雪だらけ。気を許せば雪崩、そして暴風雪。「こんなことくらい」なんてことやってると、そのわずかな隙であっという間に命を奪われる。無くさなくてもいい命を失うことになる。それこそ酸素ボンベ1本あるかないかで生死が分かれる。そこには個人の思いとか、そんなもの関係ない。物理的制約と、生物としての人間の耐久力、ただそれだけが試される。
 冷静になれば、行くヤツは頭のネジが飛んでいるとしか言いようがない。しかも登る理由は世界で一番標高が高い場所ってただそれだけ。成功してもそれは自己満足で、失敗すれば周囲に多大な迷惑をかけまくる。しかも、96年当時、エベレスト登山はビジネス化してたっていう。どっか舐めてたんだろうなあ。お金入ってくるもの、目が眩んじゃうよね。こういうことが起きるまでは。

 映画としては、正直淡々としすぎてたっていうか、だったらいっそドキュメンタリータッチの方が良かったかなあとも思うのだが、登場人物たちの視線からかの事故を描写していくってのは、それはそれで下手なドラマよりもセンセーショナルだったかなあって。地味に精神にダメージきてます。SAN値に近いかもしれない。
 まあなんだ、山こええ。

 ああ、あと思ったんだけど、これは映画の内容じゃなくて。
 IMAXの映像って、あれね、物体の大きさが映ってるサイズそのまんまに感じられて、なんか変。尾根を歩いてる人たちはちっちゃなフィギュアが歩いてるように見えちゃうし、ヘリコプターもちっちゃいの。どんな大きく映そうとしても、スクリーンの中に収まってる以上それより大きく見えないっていうか。
 目の錯覚を利用して、スクリーン上に立体物を写実的に映してるんで、人間の感覚がそのサイズの物体としてしか認識できないのかも。
 空気遠近法使えばいいのかなー。そういやアバターはそれなりの大きさだった気がしないでもない。

 夕飯はナノのご希望でステーキ。例の焼き方なので、じんわり後から赤くなるウェルダンではないのだが、これどうなんだろうなー。
 次は前のやり方試すかなー。

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