前回までのあらすじ。
揺れる飛行機から、命からがらローマ市内つーかテルミニ駅へとさまよい出たものの、肝心の電話屋が撤退していて愉快なサザエさん。まさか看板だけ残して中ががらんどうとは! もうGoogleMapをアテにしてろくにホテルの地図も打ち出してなかったオレ大ピンチ!
なんとかうろ覚えの道順でそのあたりを乗り切り、いつもの飯屋でまったりと過ごすが……。
朝、とりあえず電話屋を探しに歩く。お土産を友人宅へ送るべく、郵便局にも行かねばならない。というわけで偵察すること1時間。いろいろ試案した結果、電話のSIMカードを先に手に入れ、それから郵便局、これ鉄板と思ったのだが、よく考えたらパスポート返してもらってなかったッ! その辺はまあどうにでもなるだろうが、そこで考え直し、まず郵便局、それから荷物を預け、電話屋(結局近所では見つからず、地下鉄のわりと近いところにあったので、そこへ)、移動のパターンで決行することにオレ内決定。
で、重いトランク引きずって郵便局へ。一番でかい箱にクッションなしでぴったりおさまった。重さ6キロ弱。ああ。
郵便局員の失笑と、封緘シールを破っちまうという大失態をなんとか乗り越え(さすがに今回は宛先と差出人を間違うことはなかった……いや日本と配置が逆なのですよ)、なんとか発送を終えた後、荷物預け所へ。いや、ローマの預け所は凄いことを覚えてはいたのだが、ちょっと期待していったら想像以上の行列で、うんざりして荷物引きずったまま電話屋へ。地下鉄にあのトランク持ったまま乗るの、相当力と勇気が必要でした。次からは絶対預けてから行動すると思います。さもなきゃ、行く先で電話屋がないかどうか調べるとかね。
買うのは本当に簡単でした。パスポートわたして、できあがったSIMを受け取ってお金払うだけ。それまでの苦労が何だったのか、まったくわからないほど。
で、またうんしょうんしょと地下鉄に乗り、テルミニ駅へ。そこでネットの設定をして、友人に荷物発送の報告と、ネットにつながったことを伝え、家人に電話をして嫌な顔をされ(すごく忙しい時間帯だったらしい。すまん)、目的地への電車の時間を調べたら、昼飯食っておつりが来るというですね。うああ。
ええ食べましたとも。昨日の定食屋で。5年前と違って、あんちゃんの愛想のいいこと。カルボナーラとローマ風トリッパ。カルボナーラ、全然クレーマになってないけど、うまいのなー。びっくり。でもってトリッパ。こんなうまいの食ったことないです。たぶん材料の差。あとやっぱり作ってる回数か。ここはマンマが料理やってるんで、ローマの家庭料理食べてる気分。
で、調子に乗ってドルチェ(マチェドニア。果物のシロップづけ……ではなく、適当に砂糖かけてレモン搾るだけ。日本のマチェドニアは嫌いだが、これならいくらでも行ける。果物の差が大きいんだと思うが)頼んだら、電車の時間がやってきた(笑) いやもうどうでもいいやと思ってトランク引きずって駅へ向かうと、同じ方面の鈍行が出発寸前だった。急行の切符は無駄になったが、鈍行はまだ有効なので、それに飛び乗る。結局、30分遅れくらいでお金も余計に払わずに済んだ。
そういえば、切符買うときにセレソンへのドネーションを頼まれたので、0.5euroほど突っ込んでおいた。セレソンってなんだろう。サッカー? 違うか?
オルヴィエートへ着いてからは慣れたもので、ケーブルカーの切符を買ってそのまま一緒の切符が有効のバスに乗ってドゥオーモ前へ。そこからGoogleMap&GPSで目的の場所へ移動開始。いやしかしGPS、位置特定アバウトすぎ。ほとんど地図見る役にしか立たなかった。それでも使えるだけましだが。
で、紆余曲折の後、町の西の外れにあるB&Bにたどり着く。1泊35euroという割安なところなので覚悟していたら、なんと営業している雰囲気がない。向かいの家の人がなんか「待ってて、呼ぶから」と言う(英語だった。そこで待ってたら、娘さんに英語を教えている声が聞こえてきたという)ので、いやな予感とともに待つ。もうなんでもいいから、かわりの宿用意してもらえるんだろうなあ、とか、この場所より中心に近い方が助かるなあとか好き勝手なことを考えつつ。
すると、品のいい陽気なおばさんがやってきて、予約した住所にあるドアを開ける。中はいきなり部屋。なんと、ここを好きに使えと言う。キッチンとか全部つき。バストイレはもちろん。携帯の電波は石壁が完全にシャットアウトしてくれているというおまけつきだが、なにはともあれ、とてもいい部屋にびっくり。これで35euro/日でいいの? そりゃまあ他のサービスはないけど。どうも、この場所を拠点にして、周辺を回るという目的向けのゲストハウスって感じ。
そんなこんなですっかり落着き、データを拾うのと同時に、ちょっと爪を割っちゃったので絆創膏と消毒薬を買いに出る。あと、明日のチビタ行きのデータ収集。
用事もだいたい済み、切符を手に入れて、さて夕飯はと考えて、5年ほど前に来た灰色熊亭という店に行こうとするが、これが見つからない。どこだったか忘れている。で、ぐるぐる回った後で(貴重な仕事の時間が1時間ほど無駄になったのでありました)、ググってみる。したら出るのな。行ってみたら確かにそこで、前いたおじさん2人が変わらずにやっていた。
トリュフのフェットチーネ、おいしゅうございました。カレー味のウサギも、ホウレンソウのつけあわせも。
ドルチェはビスコッティとヴィンサント。だから昼もしっかり食べたのに! もうグロッギー。でも、高い店で食べるのと昼夜でちょうどおなじくらいだったりして。
そんなこんなで部屋に戻り、仕事をちょっとして寝た。明日は早起きして近くにあるチビタというところを往復してくるのだった。その後すぐに南へ移動の予定。
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