ふと思い立ち、朝早く起きて特に予定もないのをいいことに、映画の予約を取って出かける。
『海獣の子』と迷った(というか、間に2時間あるけど、それをなんとかすれば連荘行けた)のだが、体力の残り具合なんかも鑑みて集中できるように、波乗りの方をチョイス。
行ってよかったです。設定だけならなんかこうちょっと前に流行ったかわいそう恋愛もの路線に近いんだけど、さすがは湯浅監督で、なんかすごいものを見せてもらいました。いや、特別に大仰なことをやってるわけじゃなく、むしろ地味な話なんだけど。
まず、主人公と彼氏のラブラブシーンがすごい。ああいう演技は初めて聞いた。見たんではなく。演出はもちろん監督だろうから、つまりはアニメ的な意味で意図したものだと思うんだけど、あれほど生々しい声の芝居(エロいって意味ではなく)やってくれるとは本当に思わなかったっていうか。これは見てもらわんとわからんのだけど。
絵でもちろんあの芝居を表現はできたんだろうけど、あえて絵は普通に流して、声の芝居がなんつーかイチャイチャしてるなーって。ああもう語彙が。
そのためだけにもう1回行きたいくらい。1回と言わず。
汚れきったオトナなので、あの二人があのまんまだったら幸せになれたかって言われればそうとは限らないとも思うんだけど。むしろ、ああなってある意味刺激的だったでしょとか思う自分は、いくらなんでも俯瞰しすぎだとも思うし。
そして、あの流れの中であの結末はある意味必然であって、驚きはなかったりもするのだけど、でも見終わった後、いいものでありかつすげえもの見せていただいたっていう感想しか残らなかった。
自分的には、この作品は恋愛ものというよりは人生を恋愛のフィルターかけて表現してるっていう感覚に近くて、そんなに先があるわけじゃないっていう自覚とともにそういうのが突き刺さるようになってきてるっていうですね。いや多分これは一般的な見方じゃない。
いやー、Y子ちゃん可愛いね。うまく捕まえとけ。大丈夫大丈夫、男なんて本気で惚れられた女の子にゃ絶対勝てないんだ。むしろ男の方が捨てられてる可能性も見えるくらいだ。彼女が幸せならなんでもいいや。
そして、短く誰よりも情熱を燃やし尽くした主人公は、きっとあの後普通に人生を送っていくんだろう。なんだかんだで呪縛から解き放たれたわけだし。最後の一撃が、たぶん残ってた執着を根こそぎにしたんじゃないかなって。あれがラストってやっぱすごいな。
てことを観た後に自然に想像させるリソースの濃さこそ、あの作品の最大の力点なんだろうなあ。
そして平日朝一の回は、自分入れて客が2人でしたとさ。ああ、みんなもっと観に行けー! 海外で賞取りまくってるぞこれ。
映画観る直前に食べた黄色い牛丼屋の牛定が喉に詰まる出来だったんですが、自分の老化のせいだとは思いたくないんですよ。だってあの牛肉本当に牛肉なのってくらいカッチカチで油分が感じられなかったし。
いやまあそれはいい。
戻って夕方まで寝る。仕事しろよ。まあナノが水泳に行ってる間にちょっとファミレス行ったりな。仕事進むよ。シェーラこええ。
夕飯は麻婆豆腐。ちょっと作りすぎたが、まあ昼飯になるのでそれはそれで。