短時間の睡眠の後、昼になったので飯のついでに夕飯の材料を買ってきた。肉だ。シンプルに肉。どのくらい肉なのかというと、店の親父が10キロ以上ありそうな塊から切り出した感じで肉だ。
本当は安めのランプ肉が良かったのだが、親父こう言いやがる。「あー、そっちないんだ。全部ロース。ランプの方は全部ローストビーフにしちゃった」
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や
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庶民に変な期待をさせるんじゃねえ!(←36pointくらいの感じで)
まあそれでも他所で買えば倍以上するんじゃないかって肉なので、涙を飲んで買う。もちろん厚みが重要なので、親父が勧めてくる薄切りのステーキ肉は却下だ。あくまで厚切りを焼く。オレのステーキ道はこの日のためにあったんじゃないかと思えるほど、オレは厚みを要求している!
まあキロ単位で買ったわけじゃないんで厚みつっても3センチくらいのもんだが、そこはハートの問題なので気にするな。
戻って、昼寝して、起きて三毛の世話やるという昨今はすっかりルーチンと化した日課をこなした後、サラダを作ってからいよいよ焼きにかかる。岩塩おろして塩を振り、開けたての粒胡椒を挽いて香り豊かな胡椒を振る。筋切りなんかは買うときにやってもらってるから、気にしないでそのまま焼く。
もちろん脂は牛脂だ。切り出した肉の脂肪がそのまんま入ってる。それをじっくり溶かし、そのそばの八百屋で買ってきたニンニクを1かけ包丁をちょいと入れて落とし、香り立たせ、肉を投入。あとはフライパン傾けて脂をためては肉にかけ、返し、脂をかけ、返しを10分くらいはやったような気がしてならない。
なにはともあれレアでも行ける肉なので、気分的にこれでいいやってところで火から下ろし、休ませる。10分くらい。いやー、いい肉は違うね。肉汁があんまり出ない。まあサシの入った肉だからか。溶けた脂がブロックしてるんではないかと推測するが、特になにかの役に立つわけではない。
それから牛脂、バター、赤ワインを煮詰めてソースを作る。ちょっと甘味を放り込んでみたら、らしくなった。あと味噌と醤油もちょろっと。発酵食品は味をぶっ壊すリスクが少ないから好きさ。
というわけで、上物の赤葡萄酒を開けて乾杯さ。ああ、肉うめえ。肉。でも、感激具合だったら、もしかしたらこないだのサイコロステーキの方が上だったかもしれん。なんせサイコロステーキの体なのにあのうまさだったからなー。今日のはルックスが割と本気でうまそうで、実際うまいのでギャップが少ないってわけだ。
そんなこんなでみんなも試してみてくれ! スーパーだとこれやったら万札飛ぶから注意が必要だぞ! 店探しって大事だネ。
まあ、こんだけやったんだけどね、ヤツめ何切れか食べただけでごちそうさま言いよる。うーん。まあおいしかったからいいけど!
明日からうちのステーキはまた1枚600円の世界に戻るぜ! 筋さえ気にしなけりゃ、それなりにうまいUSA牛だぜ!
いやもう今日はこれがすべてでした。ああ、ケーキも食べたっけ。普通のケーキがなんかとても貴重なものに思えたのは、やっぱりあの肉のせいだったのかもしれない。