10/3 こ れ は ヤ バ イ

 早朝に起きて、ブーブー飛ばして行ってきましたよ。映画館。なんか売店で電子マネー使えないとか、考えられない遅れっぷりだけど、文句は言うまい。結構その辺で公開してくれない映画とかかけてくれたりするし。

 えーと、映画に行って駐車場のチケットもらおうと思ったら、あそこ3時間までしかつけられないらしくて、2本映画見ると3時間以上は実費がかかっちゃうわけです。それを回避する方法は、いったんクルマを出して再入庫するしかないっていう。ええ、やりましたよ。
 実は最初の途中で腹痛くなりましてね、結構大変だったんですが、2本目は全然苦痛じゃありませんでした。集中して忘れてた。

 で、昼飯は戻って寝たので抜きで、夕方軽食をと思ってファミレス行ったら案外重くて、夕飯は軽めに。ナノにはハンバーグ作ったが。
 てーわけで、仕事やんなきゃ。負けてらんないわ。オレにはなにができるかなあ。

 というわけで、ここからネタバレ回避のために続きを読むを挿入。
 や、ネタバレつっても、これ知ってても困らないレベルか、観た人じゃないとわかんないようには書いてるつもりなんですけど、オレ、ネタバレ上等だから、その辺の加減わかってないようなんで。

 というわけでまず『未来のミライ』。
 ネットじゃ散々の言われようだけど、えー……どこがいけないの? まあくんちゃんの行動が激リアルでイラッとくる(少なくとも序盤は)わりに、セリフなんかが年齢から乖離してるとか、一番最初の家庭の状況がちょっとした地獄だとか、もうリアルすぎてしんどかったわけですが、あの家族の人生をなぞっていくっていう流れは決して筋の悪いものじゃないと思うし、実際興行成績的には悪くはないんで、あれはあれでいいじゃんと思ったりするわけです。というかむしろ好き。
 お母さんの下りとか、かなりよかったじゃないですか。
 あと、あれくんちゃんの妄想じゃないよね?(そう言ってる人たちがいるみたいだけど) 彼の知識や経験から明らかに外れたシーンが大量にあるし、あれはむしろ庭の木に本当に秘密があるとか……いや、そうやって厳密にあのファンタジーを解釈しようとするのがそもそも野暮だと思うんだけどどうだろう。

 で、クルマのすったもんだを挟んで『若おかみは小学生!』
 えっとね、えっとね、冒頭シーンでお神楽の踊りがあるんですが、これがすごい。仕草からカット割りまで、もうすごいとしか言いようがない。音楽もあの辺の奏者の一流どころに声かけてたみたいだし。文芸仕事しまくってる。いや監督さんがそういう意識だからなんだろうけど。
 冒頭からもう普通のクオリティじゃないわけです。これが凡作のはずがありません。確信しました。そしてそれは裏切られました。予想の遥か上空、静止衛星軌道くらいのあたりをすっ飛んで行ったからです。
 これは女児向けの作品なので、ちゃんとそのフォーマットは守ってます。かっちりと。もうガチガチなほど。コメディーリリーフはいるし、キメのギャグポーズはあるし、主人公ちゃんとファッションショーやるしね。でもね、でもね、それがね、全部ね……いやまあいいんですが。
 余計なことを書くと、これから行く人たち(行くよね?)に迷惑がかかるのでこれ以上は書かないし書けませんが、冒頭の踊りの次でとんでもないことが起こって、そこからなにも起きないんです。普通にそういう状況の子供がそうなるだろうなあって流れにはなりますが、それだけ。主人公は変わらないの。いやそれが表面だけなのは見てればわかるんだけど、一切隙を見せてくれないの。で、そのまま物語が進んでいくの。
 見てる側としては、腹のなかに重りでも飲み込んだ気分ですよ。でもって、ファンタジー入ってるんで、幽霊とか鬼とか出てきます。小学生版細腕繁盛記かと思ったら、若おかみは鬼道使いみたいな感じで、結構明るく楽しく進んでいくんです。

 あ、文芸仕事してるところですが、いきなり旅館の女将の立ち居振る舞いが完璧なの、ちょっとため息出ますよ。板前さんの動きとかも。

 で、物語の終わりを示唆する展開があって、ああ、そういう終わり方かーと思うわけです。それでも十分いい話なんですよ。もう料金分の倍くらい楽しませてもらってるんですよ。そこにね、いやまあなんだ、あれはもう度肝抜かれましたね。普通に筋立てしてると、そんなの普通じゃんって思える展開なんだけど、あのコツコツと鉈でぶん殴られるような展開の後にあれなんでね、真面目に声上げそうになりましたね。
 しかもね、それで主人公かわいそう物語じゃないの。

 まあ騙されたと思って観に行きましょう。筋立てが卑怯なのは認めます。認めますが、普通にあれやってもああはならない。
『この世界…』のはるみさんのエピソードあるじゃないですか。あれが最低3回は来ます。人によってはもっとかもしれない。さあ、劇場を出るときになんとかして顔を隠そうとしてとっても困っちゃう気分をオマエも味わえ! いまの仕事が終わって、もしまだかけてくれてる小屋があったら、万難を排して行ってきますわ。

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