イル・カナアレ
Last update 24-Dec-98

イル・カナアレのクリスマス

1997年暮れに開店したイル・カナアレには、これが最初のクリスマスディナーとなります。というわけで、小田倉シェフ入魂の品々、とくとご覧あれ。


 これは、うにのプリンです。
 うにをベースにしたムースなんですが、えもいわれぬコクがありました。
 うにというと匂いがきつそうな印象がありますが、じつは匂いはほとんどありませんでした。香りはありますが、それほど強くはありませんでした。
 むしろ、うにのねっとりした触感をムースで強調している、そんな印象の方が強かったですね。
 前菜の盛り合わせ。
 あん肝のテリーヌ、鳩とオマール海老の抱き合わせ、そして猪のスモークです。
 打って変わって、匂いの強い料理ばかり。鳩は、弱い人は大変かも知れません。血の味がするんですね。いや、じつは好き:D
 あん肝も、寿司屋さんのを想像すると『臭い』ということになるかも知れません。実際は臭いのではなく、素材の匂いをわざと強調しているんですけど。だから、臭いというのとは少し違う。まあ、苦手な人にはおんなじか。
 猪は比較的おとなしく、歯ごたえがあってじつにおいしかったです。
 これはプリモピアット、一皿目の料理です。
 要はパスタ料理なんですが、そうは見えないのは、カネロニと呼ばれる、麺料理ではないパスタ料理だからです。
 外側の皮はパスタ生地で、内側にはリードヴォー(胸腺)とフォアグラが詰められています。これを輪切りにして、ポルチーニのソースで食べるのですが、せっかくなんだから1本くれーというくらいうまかったです。
 そーか、フォアグラも入ってたんだな。
 こいつは魚料理。題して『魚介と冬野菜の鍋仕立て』です。鍋というよりは煮込みなんですが、魚介の一品一品ごとに火の通りが違うんですわ。
 いやもう。ぼたん海老は生に近く、帆立てやあんこうなんかはしっかり火が通ってる。はまぐりは微妙なところでしっかり止まってて、いやもう甘いのなんの。
 野菜を煮込んだソースもじつに味わい深かったです。
 これはグラニテ。魚料理と肉料理の間のシャーベットですね。グレープフルーツをベースに、リキュールを加えたもの。
 最後の肉料理です。名残惜しいですが、これでおしまい。いや、デザートがありますけども。
 仔鹿のローストを、トリュフのソースでいただくんですが、鹿のくせに柔らかいんですわ。
 あ、あと、付け合わせのさつまいも風味のマッシュポテトは、じゃが芋と栗でした。
 デザート。
 ケーキとアイスクリームの焼き菓子風です。ボリュームたっぷりで、料理の量がちょっと足りないかなと思う向きでも十分満足できます。
 いや、じつはいつものデザートに比べると、軽いんですけどね:D


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