Last update 6-Jun-01(minor)
・イタリア大衆食堂・ぢりお
イタリアはヴェネチア(※本人監修)で修行してきた波多江さんのお店。
元クラッティーニの料理人の方ですが、その味は好対照です。
もともと、クラッティーニの倉谷シェフは南のサルディーニャ島からローマで修行してきた方なので、北西部のフランス国境に近いミラノの料理とは根本的に違うんですけどね。おなじイタリアでも、北部、中部、南部で全然料理の質が違うんです。ご存じの方も多いと思いますが。
基本的に、北部は乳製品を多用する傾向にあります。トマト等はあまり使いません。
で、その通り、ぢりおの料理は基本的にチーズをよく使います。って、クラッティーニも結構使ってますが。逆に、このお店も平気でトマト使ってますし。まあ、最近はその辺の区分けははっきりしていないようで。美味けりゃなんでもよし、ですよね。
このお店には、コース料理はありません。セット料理はランチに限ってありますけど。要するに、気取らず、気楽に自由に食べられるのが目標なんだそうです。たしかに、たいていのイタリアやフランス料理のお店は、ディナーコースが当たり前って感じですから、ちょっと寄って好きなだけいただくというわけには行きません。ア・ラ・カルトを取るっていう手もありますけど、結構食べにくいんですよね。もともと、コースを想定して作られてますから。そういう店の料理は。
しかし、ここは安心。前菜、パスタ、メインと分けられてはいますが、どれをどういう順番で取っても自由で、まったく気にならないようになっています。メニュー選びに迷ったら、目の前で料理を作っているシェフに聞けばいいし(ああ、このお店、全16席がすべてカウンターです。臨機応変に17席になったりもしますけど)。
さて、肝心の料理ですが、写真撮るの忘れました(またかよ)。追加で頼んだものだけなんとか撮影に成功したので、そいつだけ載せときます。でも、こいつ、このお店でも絶品のひとつなんで。
写真は信州産サーロインのグリルです。薄めにスライスしてあるんですが、これ、なんと柳刃包丁で切ってます。おかげで、すっぱり薄手に切れてますんで、非常に食べやすく、しかも口当たりが大変に良くなっています。調理法そのものはぎざぎざの鉄板(なんか名前あるんですよね^^;;)で、塩コショウで焼いただけのものなんですが、その美味しさは悪魔的。これ食べると、その辺のステーキハウスの肉なんか食べる気にならなくなります。
この他、門外不出のボイルハム、自家製ソーセージや、そのソーセージと茄子を使ったパスタ、ぐっとベーシックにアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、肝臓のパテ、旬の茸の白ワインソテーなど、一度は食べておくべきメニューが目白押しです。黒板の季節メニューは行くたびに変わるので、これも楽しみです。
もうなかったのですが、ちょっと前までは砂肝のソテーなんてものがありました。これは、鶏の砂肝をピリ辛風味にソテーしたもので、長葱(ポロ葱か?)の風味もあいまって、非常に美味しかったです。砂肝ってのは、焼き鳥でよく出るアレです。
この写真を撮ってきたときには、蠣とポロ葱のクリーム煮というのが出ていました。あと、カマスのポワレあさりソースなんてものも。食べなかったんですが、名前だけでもちょっと試したい感じですね。
なお、できたばかりというのもあってか、カードは使えません。そのかわり、おなかいっぱい食べても、メニューの選択にもよりますが、まあ上限が\7,000+ワイン代くらい。このワイン代が曲者ではあるんですが、そんなに高いものは置いてないし、グラスワインの種類も多いので、そんなにがばがば飲まなければまあ大丈夫じゃないかと。
たまに懐があったかいときだけ、シャルドネ(白。\6,000のボトルのみ)とか取ればいいかなと。
お店はコンクリ打ちっぱなしの配管むき出しで、かえっていい雰囲気出してますし、退屈なときはシェフとの会話も楽しめますんで、場の空気を楽しむだけでも行く価値のあるお店だと思います。
で、これには触れずにおけないでしょう。
2001年6月6日(不吉だ)、『保坂尚輝のグルメ数珠つなぎ』というコーナーで日テレに登場しました。多くは語りますまい。ただ、お客で埋まっちゃって入れなくなるなんてことにならないことだけを祈ってます。
定休日 :毎週火曜日
営業時間:12:00〜14:00/18:00〜22:00(日曜祭日は21:00)
所在地 :東京都中野区野方6-6-2 サンクリパージュ野方1F
電話番号:03-3336-6006