7/25 その日が来た

 始まりがあれば、かならず終わりはくる。万物不変の原理は、まあ定命の人間がやっている店には当然のように適用されるわけで。
 そんなこんなで渋谷のスカレッタ最後の日。渋谷で13年。三島で何年だっけ。たぶん合わせて20年余。その半分程度、このお店に通っていた(つってもここ2、3年は年に2、3回しか行ってなかったけど)のだけど、本当にこの空間、お店の人たちが好きだった。向こうがこちらをどう思っていたかはまた別な。お店的には客だから、本音は隠して付き合っていてくれたけれど、果たしてどうだったのかはわからない。
 失礼な客だったからなー。カミさんのおかげでずいぶん救われていたけれど。
 なにはともあれ、そんな人間でもまともに扱っていただけたことには本当に感謝しています。「一応」一個の大人として扱ってもらった、最初のお店ではなかったかと思うのココロ。もしかしたら最後かもしれない。
 それはともかく、人を含めたこの空間が失われたことは自分的に非常に痛い。たとえ年に数回しか行けなかったとしても、あの場所は自宅とはまた違う安らぎをくれたというか、こうなにか切り替えられるところだったというか。つらい時も嬉しい時も、いつも折あるごとにあそこに行っていたような気がする。ソ◯ラマがなくなっちゃうってわかって、オレどうすればいいのかなって困った時にカミさんが誘ってくれたり(思えばあの頃はまだ集◯社をまったくアテにしてなかったなあ)、子供が生まれた時も、仕事終わりで思いっきり深呼吸したかった時も、全部あそこにいたのだなあと。
 シェフは神楽坂のヴェーリというお店に来月中旬以降に移られるし(いやー、ヴェーリのページを見たら、オレ入っちゃいけないところって感じがする。じゃあスカレッタはよかったのかよって言われると……どうなのかなあ)、マダムはカミさん経由でご縁を続けられるかもしれないが、それとは別に、あの場所そのものがもうないってことが、徐々に堪えてきている。
 まあなんにせよ、お疲れさまでした。本当にありがとうございました。お世話になりました。
 そして世界は続く。スカレッタという場所は失われたが、それでも世界は続いていく。

 朝まで起きていて、昼過ぎというか夕方近くまで寝ていた。したがって昼飯はなし。夕飯に備えて空きっ腹を作る。今日だけはリミッター外すつもりだが、まあ食べ飲み過ぎて具合悪くなっちゃ意味ないので、上限をあげる程度かな。
 で、渋谷に向かう途中で『SFまで10000光年』を購入。ジュンク堂で。イラスト展(原画展?)やってるってので。そんなにコーナーは広くなかったものの、要は目的のブツが手に入ればいいので満足。本は、その場には2冊しかなかった。どっかにもっと置いてあったのかもしれないが、とにかく残り少なげだったので手に入ってよかった。

 店ではぐずぐず居座って、正直とっとと帰れって雰囲気だったが本当に怒られる寸前まで居座って、それから帰ったので第2終電になってしまった。というわけで1メーターだがタクシーを使い、最寄り駅まで。なんとかそんなに遅くならず(つってもてっぺんは楽に回ってたが)帰り着く。放心状態。なんか最後の最後で嫌われたかなーとか(いや、嫌われてたってんならとっくだよ)。まあそんなこと気にもしてないか、とか。少なくともあの場所には嫌われなかったような気がする(でなきゃ、なにやかにやで行けなくなっていたと思うんだ)。
 ありがとう、さようなら。
 そう思いながら風呂入って寝た。

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